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トランプ「日本はまもなく歴史に残る記録的な量の…」3つの懸念!日米首脳会談で石破が勝ち取った「カネでは買えないもの」

 なかなか実現が叶わなかったトランプー石破会談。それが2月7日(日本時間2月8日)、ついに開かれた。この会談の成果については意見がわかれており、「初めての会談としては上出来」「日本はお土産ばかりで何も得られなかった」と様々だ。そんな中で、2016年にトランプの初当選を予言した国際政治アナリストで早稲田大学招聘研究員の渡瀬裕哉氏はどう見るのか。全3回に渡って解説していく。第1回はアラスカ大開発についてーー。

目次

渡瀬氏の予測がまたも的中、日米首脳会談でLNG輸入が大盛り上がり

 筆者はトランプ-石破日米首脳会談前に「ちゃんと戦略はあるのか…トランプー石破首脳会談「窮地日本に残された最後の切り札」を凄腕政治アナリストが解説「我が国以上に相応しい存在ない」という内容で、みんかぶに記事を寄稿させて頂いた。

 筆者が1月下旬に米国でMAGAや共和党保守派関係者を訪問し、アラスカLNG開発について意見交換した際に好反応が得られていた。トランプ政権だけでなく共和党全体からの賛意がプロジェクトであることは明らかであった。

 結果として、予測通り日米首脳会談ではアラスカからのLNG輸入が大きく取り上げられることになり、第二次トランプ政権との新たな関係は良好な滑り出しを迎えたようだ。石破政権は良い仕事をした。日米首脳会談の共同声明では、米国からのエネルギー輸入に関して下記の通り言及された。

トランプ「日本はまもなく歴史に残る記録的な量の…」

「両首脳は、米国の低廉で信頼できるエネルギー及び天然資源を解き放ち、双方に利の

ある形で、米国から日本への液化天然ガス輸出を増加することにより、エネルギー安全

保障を強化する意図を発表した。」

 また、日米首脳共同記者会見で、トランプ大統領は「アラスカ」という具体名に関しても触れている。

「日本はまもなく歴史に残る記録的な量の米国の液化天然ガスの輸入を始める。我々はアラスカの石油とガスに関して日米のある種の合弁事業について協議している。米国は日本に対して1000億ドル以上の貿易赤字がある。それについて早急に対処する。石油とガスについてできる。我々はどちらもそれを理解している。」(日本経済新聞の対訳から引用)

本来はカネでは買うことができないモノを買った

 このような共同声明・共同記者会見の結果を受けて、石破首相は帰国後の参議院本会議(2月12日)で日本維新の会の柳ヶ瀬博文参議院議員からのアラスカLNGプロジェクトの見通しについて質疑がなされた。

これに対して石破首相は下記の通り答弁している。

「米国からのエネルギー輸入及びアラスカのLNG開発については、今般の日米首脳会談におきましては、相互に利益のある形で日本へのLNG輸出増加を含め、両国間でエネルギー安全保障の強化に向けて協力していくことを確認いたしました。米国から既に年間500万トンを超えるLNGを輸入しておりますが、更なる購入につきまして、経済性、供給開始時期、供給量を踏まえまして官民で検討していくことを想定しております。アラスカLNGプロジェクトにつきましては、パイプラインの建設動向等を踏まえまして、今後検討が進められるとして承知しております。日米相互に利益とある形となりますよう、民間関係者間の議論を経済産業省を中心に促して参ります。」

 トランプ政権は就任早々の大統領令で、アラスカのエネルギー資源の開発を大々的に推進する姿勢を示している。アラスカ大開発を日米でともに実現に向けて協力することができれば、日米関係は非常に強力な絆が生まれることになる。本来はカネでは買うことができない安全保障上の千載一遇の好機だ。

日米のトップリーダーが主導権を持って継続的に臨むことが大事

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この記事の著者
渡瀬 裕哉

1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 早稲田大学公共政策研究所招聘研究員、事業創造大学院大学国際公共政策研究所上席研究員。機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。2016年トランプ大統領当選、2020年民主党による大統領・連邦上下両院勝利を正確に予測し、米国政治に関する分析力に定評がある。『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 』(すばる舎)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)

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