「第3次世界大戦を賭けたギャンブルだ」世界に衝撃!米ウ罵倒会談…高まる地政学リスク、何も主張しない石破首相に「日米関係先行き不安」指摘

米国大統領と戦時下のリーダーがテレビカメラの前で大喧嘩した前代未聞の首脳会談から1週間近くが経過した。ロシアによる侵攻が続くウクライナのゼレンスキー大統領は「我々以上に平和を望む者はいない」として再協議に期待するが、激高したトランプ米大統領は対ウクライナ軍事支援を一時停止したと伝えられた。世界中が見守る中で繰り広げられた激しい応酬は一体、どちらが正しかったのか。経済アナリストの佐藤健太氏が解説。はたして、対日関税に言及された石破茂首相は大丈夫なのだろうかーー。
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「米国に対して非常に失礼だ」声を張り上げるトランプ大統領
誰もが目を疑ったに違いない。2月28日、米国のホワイトハウスを訪問したゼレンスキー大統領は歴史に残る首脳会談に臨んだはずだった。だが、スタートから約40分後、トランプ米大統領の左隣に座るバンス副大統領が「平和への道は外交にある」などとバイデン前政権の“失政”を引き合いに言及すると、突如として激論が始まった。ゼレンスキー氏はバンス副大統領に対して「どんな外交なのか」と語気を強め、これにバンス氏は「あなたの国の破壊を終わらせる外交だ」「あなたは大統領執務室に来て、米国のメディアの前で失礼ではないか」と応酬した。
ここまで少し沈黙していたトランプ氏だったが、ゼレンスキー氏に対して「今、あなたは不利な状況にある。あなたにはカードがない。我々と一緒ならばカードはある」と顔を紅潮させた。ゼレンスキー氏は「私たちはカードゲームをしていない。私は戦時下にある大統領だ」と反論したが、トランプ氏は「あなたは何百万人もの人々の命を賭け、第3次世界大戦を賭けたギャンブルをしている。米国に対して非常に失礼だ」と声を張り上げた。
戦時下のリーダーによる悲痛な叫びは無視すべきではない。だが、首脳会談の相手がトランプ大統領となれば話は別とも言える。ここからは夫婦ゲンカのような口論となった。バンス副大統領は「一度でも感謝を言ったのか」と感情的になり、ゼレンスキー氏も「何度も言った」と反論。「感謝の気持ちを伝えるべきだ」とするバンス氏と何度も伝えているというゼレンスキー氏の“ありがとう論争”に発展した。