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広がる企業の「同意なき買収」…お家芸のニデックは「コミュ力が高い」大学教授も評価

(c) AdobeStock

 買収される企業の同意を事前に得ないでM&A(合併・買収)を提案する「同意なき買収」が広がり始めている。日本ではこれまで「敵対的買収」と呼ばれ、ネガティブなイメージを持たれていたが、経済産業省が2023年夏にまとめた「企業買収における行動指針」で、「敵対的買収」は「同意なき買収」に言い換えられた。企業価値の向上につながるような買収は「株式市場の健全な新陳代謝に資する」と積極的に評価し、真摯な買収提案に対しては、提案された企業も真摯に検討するように求めた。そんな中、現在水面下で進んでいる「同意なき買収」について、日経新聞の編集委員である小平龍四郎氏が解説していくーー。

目次

買収戦のカギは「企業のコミュニケーション力の高さ」

 カナダのアリマンタシォン・クシュタール vs セブン&アイ・ホールディングス(HD)買収計画、ニデック vs 牧野フライス、台湾電子部品大手、国巨(ヤゲオ)vs 芝浦電子。どれも「事前同意なし」とされる買収戦だ。

 伝統的な日本の企業社会の通年では、M&Aは水面下でじっくり交渉をした後、双方が晴れて合意した後に発表されるものが多かった。一方、「事前同意なし」は買収を提案した後、衆人環視で合意に向けて突っ込んだ話し合いをする。最終的にこれが「敵対的」となるか「友好的」に終わるかは結果論だ。決め手となるのは買収する企業のコミュニケーション力の高さだ。

「友好的」と評価されるニデックの買収

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この記事の著者
小平龍四郎

1964年生まれ。静岡県出身。早稲田大学第一文学部卒業。日本経済新聞入社後は主に金融・証券畑を歩き、「山一証券破綻」「村上ファンド登場」などの特報にかかわる。欧州総局(ロンドン)やアジア総局(バンコク)を経験し、現在は日経新聞の編集委員。専門は証券市場、ESG/SDGs、企業統治。著書は「グローバルコーポレートガバナンス」「アジア資本主義」「ESGはやわかり」。 Twitter:@Kodaira_Nikkei

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