資産数億円、元三井物産の投資家「投資歴が浅い人ほど為替を気にする」私が重視する◯◯収益!相場低迷時に現れる「超割安株」今回は…!?

世界中の株式市場が、トランプ氏の発言によって振り回されている。しかし元三井物産で長期配当株投資家の紫宝氏は、「超長期的な視点に立てば、トランプさんは気にしなくてもいい」と話す。超長期配当株投資家として必要な心構えと投資手法について、紫宝氏にうかがった。
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トランプは4年でいなくなる
近ごろは米大統領のトランプさんの関税政策によって、東京市場も株価が揺れ動いています。確かに、短期売買をされる方はソワソワしてしまうかもしれません。ですが私は超長期配当株投資家です。米国は憲法で大統領の3選を禁じていますから、トランプさんが大統領の座に就いていられるのは、あとたったの4年。仮にこのまま市場を揺さぶり続けたとしても、それがずっと続くわけではないのです。
ですから、トランプさんの在任期間を超えて株を長期保有する予定なのであれば、たとえ株価が下がったとしても、「むしろそこでバランスよく買い増せばいい。企業のビジネスモデルが崩れていないのであれば絶好のチャンスだ」との判断になるはずです。そして、そのようなブレない判断のためにもやはり、「この企業は他社にない特別な強みや高い参入障壁を持っているから、絶対につぶれない(それこそ国が守るレベル)。長期的には業績も株価もしっかり伸びていくはずだ」との確信を持てる株を選ぶべきなのです。
これはたとえ話ですが、通常なら30万円はする一生物のコートとまったく同じ品質のコートが60パーセントオフの12万円で売っていたら、私なら喜んで買います。金額の多寡は置いておき、自分がその割安価格で十二分に納得できていて、本当に良いものであれば、家族の分も買うかもしれませんし、何かあったときの予備のためにもう一個買うかもしれません。
あと、これは私の場合ですが、買い増し意欲も湧かないような中途半端な株価の下げがいちばん苦手です。どうせ下がるなら今のような中途半端な株価水準にではなく昨年8月のようにガッツリ下がってほしいですね。
上記で述べているような「信頼株」の話ですが、私は、20年以上前に投資を始めたときから、私が在籍していた三井物産や、三菱商事といった商社の長期での成長を信じてきました。
総合力ナンバーワンの三菱商事については説明不要だと思いますが、三井物産は2023年度、総合商社として初めて2年連続最終利益1兆円超えを達成し、24年ぶりに首位となりました(2024年度は三菱商事が首位を奪還する見通しですがトップ3社は肉薄しています)。また、三井物産は引き続き事業ポートフォリオのバランスを調整して基礎収益力の安定化をはかっており、余剰資金の積み重ねや配当性向等を見ても増配余力はまだまだあるとみています。
為替も気にしない
為替に関しても、いまは皆さん過剰なほど反応されているなという印象です。1ドル150円を割っただけで「円高が進行している!」と騒いでいますが、私にとっては今が超円安であることに変わりありません。2012年ごろには、1ドル77円あたりで取引されていましたから、いかに多くの人がいま目の前で起こっていることしか見えていないかがわかります(最高値は2011年10月の75.55円)。