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財務省OB「103万円は晴れて一人前の納税者になる誇り」…もう解体一択!もはや宗教法人「上から目線の短絡的倫理観」国民生活どん底へ

(c) AdobeStock

 財務省解体デモが話題を呼んでいる。国民の給料が上がらない中で、物価や国民負担が増加していることに対する怒りなどが起因しているものなのかもしれない。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が解説するーー。

目次

「なんで1000万、2000万の人にまで減税する必要がある」

 私はいわゆる「財務省=悪玉」論者ではない。決してそうではない。だが、ある元財務官僚の発言をたどると――もしそれが財務省の認識と一致しているのであれば――どう考えてもこの省庁は、日本の健全な経済成長にとって足かせでしかないと思わざるを得ないのである。

 その元財務官僚とは、森信茂樹氏である。元財務省主税局国際調整官であり、現在は東京財団政策研究所の研究主幹でもある。彼の主張と自民党税調会長である宮沢洋一氏の動向がしばしば一致している点から見ても、財務省の主流的な思考を反映している可能性は高い。以下に紹介する発言は、その典型例である。

「財務省が言ってるのは、もしこれ(年収の壁)を178万円に上げれば、機械的に試算すれば7兆、8兆(の減収効果)になりますよと」

「だから、私がいいたいのは、これ財源だけの問題ではないんですよ。もし本当に減税をするんだったら、なんで1000万、2000万の人にまで減税する必要があるんですか?」

*2024年3月16日、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」での発言より

 この発言には、もはや経済の初歩すら理解していないという恥ずかしさがにじみ出ている。「なぜ年収1000万円、2000万円の人にまで減税する必要があるのか?」という問いかけは、完全に感情的なポピュリズムに迎合したものであり、経済的事実や成長戦略から目を背けた妬みと偏見に満ちている。

 まず、高所得層への減税がもたらす経済効果について、まったく理解していない。年収1000万円を超える層は、生活の基礎的な消費をすでに満たしており、可処分所得の増加分を日用品や娯楽に浪費することは少ない。代わりに、その資金は投資に回される傾向が強い。実際、金融庁の『家計の金融行動に関する世論調査』(2023年)によれば、年収が高くなるほど、株式・投資信託・不動産などへの投資比率が高まる傾向が明確に示されている。

 さらに、日銀の『資金循環統計』(2023年12月速報)でも、高所得世帯によるリスク資産へのシフトが進み、株式・投資信託保有額が拡大していることが明らかとなっている。

国家財政をまるで家計簿のように捉えるこの発想

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この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

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