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コメの高騰「自民党の2枚舌」が原因だった!日本の農家を騙し続け、消費者を叩く農水省の大問題

(c) AdobeStock

「令和のコメ騒動」とも言われた、昨夏のコメ不足と価格高騰。それを受けて、農林水産省は政府備蓄米の放出を決めた。政府は「新米が出てくれば価格は落ち着く」などと説明するが、経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏は「コメ不足騒動は一過性の問題ではない」と語る。その背景にある問題点とはーー。

目次

「通常の流通ルートに米が集まっていない」コメ価格高騰の政府の見解に疑問

 農林水産省は、2024年産米の価格高騰について「供給が不足しているわけではないが、通常の流通ルートに米が集まっておらず、流通が滞っている」との見解を示している。具体的には、大手集荷団体(全農系・全集連系)への集荷量が減少し、生産者や小規模な集荷業者が在庫を保有し、さらには積み増していることで、在庫が分散し、実際の供給に時間を要しているとの認識である。

 まるで、自分たちや自分たちの影響下にない組織が流通を担っていないために価格が高騰しているとでも言いたげな説明である。あたかも「転売ヤー」や、行政の目が届かない主体の責任にしておけば、自分たちは責任の追及を免れることができると考えているかのようである。しかし、この見解には複数の点で疑問が残る。以下、公的な統計や信頼性の高い資料に基づき、客観的に検証・評価していく。農林水産省農産局が2025年3月に発表した『米政策の推進状況について』には、次のような記述がある。

――

『米の円滑な流通の確保のための対応』

生産量は前年産よりも多い一方で、集荷の大宗を担う全農系・全集連系に米が集まっていない(対前年▲21万トン〈12月末時点〉)ことから、生産者や小規模な集荷業者が在庫を保有・積増ししていると推察。在庫が分散していることで、円滑な供給に滞りが生じている状況。

全体として供給に不足が生じているものではないものの、通常の供給ルートではない流通が増えたことで供給が滞っている可能性が高い。このため、昨年の品薄のようなことが起きないよう、政府備蓄米の集荷業者向け買戻し条件付き売渡しを実施。

――

※筆者注:「大宗」とは「大部分」「主な部分」「中心となるもの」といった意味を持つ漢語である。現代の一般的な文章としては不親切な表現であり、「中心的な担い手」や「主な集荷先」など平易な言葉に置き換えるべきである。従来から使われてきたからという理由だけで今回も使用するその姿勢には、農政当局の前例踏襲主義と硬直的な行政体質が透けて見える。

農林水産省の説明には「4つの問題点」

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この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

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