この記事はみんかぶプレミアム会員限定です

「車の税金」今年度から変わる?…元経済誌編集長「実質的な増税を含む構成に、本気で怒るべき」ガソリン減税進まず貧困層に直撃!

(c) AdobeStock

 今年度から車の税金が大きく変わる予定だ。多くの国民がのぞんでいるガソリン減税が進まないなか、この税制改正で車ユーザーの負担は増えるの減るのか。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏は「税負担が軽くなると期待する向きもあるが、内容を詳細に見ると、既存の課税構造が維持されており、一部には新たな負担増も含まれている。名目上の改革でありながら、実質的な増税を含む構成になっている」指摘している。一体どういう意味なのか。小倉氏が解説するーー。

目次

軽自動車税に関する重要な変更とは

 2025年度から、自動車に関する税制度が変わる予定である。政府は「自動車税制の抜本的見直し」と称し、自動車税・自動車重量税・環境性能割の仕組みを変える方針を示している。

 税負担が軽くなると期待する向きもあるが、内容を詳細に見ると、既存の課税構造が維持されており、一部には新たな負担増も含まれている。名目上の改革でありながら、実質的な増税を含む構成になっている。

 令和7年(2025年)度税制改正大綱(2024年12月27日閣議決定)には、軽自動車税に関する重要な変更が含まれている。125cc以下の原動機付自転車に対して、一律2,000円の税金を課す方針が明記された。対象となる車両は、小型バイクとして通勤や通学で使われることが多く、利用者は学生、高齢者、低所得者層が中心である。

 物価上昇が続く中、賃金が伸び悩む状況において、こうした層に負担を求める政策は不適切である。

 自動車重量税についても、見直しは行われず、13年または18年を超えて使用された車に対する重課措置が継続される。新車の購入が困難な者や、長期間車両を大切に使用している者にとって、税負担が大きくなる制度である。政府は「環境負荷の低減」を根拠に制度を正当化しているが、排出ガス削減や燃費向上のための支援制度は乏しく、負担軽減と両立する姿勢は見られない。

 環境性能割についても、制度全体の見直しや廃止には踏み込まず、既存の特例措置を延長するにとどまった。環境性能割は、消費税増税時の一時的措置として導入された経緯があるが、現在では恒常的な課税手段となっている。税率は燃費や動力源の種類により複雑に区分されており、納税者にとって理解しにくく、課税の公平性にも疑問が残る。

課税構造の簡素化と負担軽減を訴えている自工会

今すぐ無料トライアルで続きを読もう
著名な投資家・経営者の独占インタビュー・寄稿が多数
マネーだけでなく介護・教育・不動産など厳選記事が全て読み放題

    この記事はいかがでしたか?
    感想を一言!

この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

政治・経済カテゴリーの最新記事

その他金融商品・関連サイト

ご注意

【ご注意】『みんかぶ』における「買い」「売り」の情報はあくまでも投稿者の個人的見解によるものであり、情報の真偽、株式の評価に関する正確性・信頼性等については一切保証されておりません。 また、東京証券取引所、名古屋証券取引所、China Investment Information Services、NASDAQ OMX、CME Group Inc.、東京商品取引所、堂島取引所、 S&P Global、S&P Dow Jones Indices、Hang Seng Indexes、bitFlyer 、NTTデータエービック、ICE Data Services等から情報の提供を受けています。 日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。 『みんかぶ』に掲載されている情報は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。 これらの情報には将来的な業績や出来事に関する予想が含まれていることがありますが、それらの記述はあくまで予想であり、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。 これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、投稿者及び情報提供者は一切の責任を負いません。 投資に関するすべての決定は、利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 個別の投稿が金融商品取引法等に違反しているとご判断される場合には「証券取引等監視委員会への情報提供」から、同委員会へ情報の提供を行ってください。 また、『みんかぶ』において公開されている情報につきましては、営業に利用することはもちろん、第三者へ提供する目的で情報を転用、複製、販売、加工、再利用及び再配信することを固く禁じます。

みんなの売買予想、予想株価がわかる資産形成のための情報メディアです。株価・チャート・ニュース・株主優待・IPO情報等の企業情報に加えSNS機能も提供しています。『証券アナリストの予想』『株価診断』『個人投資家の売買予想』これらを総合的に算出した目標株価を掲載。SNS機能では『ブログ』や『掲示板』で個人投資家同士の意見交換や情報収集をしてみるのもオススメです!

関連リンク
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.