コメ価格の高騰、政府の「減反政策」が招いた悲劇…「備蓄米放出」は政府の茶番でしかない!国民を欺き続ける

米価の高騰を受け、政府備蓄米の店頭販売が始まった。これにより、流通の目詰まりが解消できるとともに、相場の下落を引き起こせる。そう政府も目論んでいたことだろう。だが実際には“備蓄米放出”という英断が、思ったような効果を見せていないようだ。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が、まだまだ終わる気配を見せない「令和のコメ騒動」を解説するーー。
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店頭価格が下がらなければ備蓄米放出の意味がない
政府は備蓄米の放出を開始した。全国の店舗に順次並び始めている。消費者はようやく価格が下がるかと期待した。しかし、政府が思ったような展開にはならなかったようだ。販売価格は5キロあたり3200〜3800円。スーパーで販売されているあきたこまちは4000円を超えだ。見かけ上、価格差は1〜2割とされるが、品種がまったく異なる以上、その差は当然であり、値下げの実感にはつながらない。
JAは備蓄米で利益を出さないと言い、農水省は入札価格を上げない努力をしたと言う。それらはすべて無意味である。売値は市場で決まり、誰が何円で買い取ったかは最終価格に影響しない。入札価格を抑えても、店頭価格が下がらなければ何の意味もない。まったく効果がない対策を「功績」として発表する農水省と自民党は、国民を愚弄しているのだろうか。