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まるでトカゲの尻尾切り。石破政権、今度は「コメ高騰は農水省のせい」本当に悪いのは「自民党」なのに…

(c) AdobeStock

 コメ価格が記録的な高騰を続け、庶民の食卓を直撃している。5キロあたり4000円超えという異常事態は、単なる市場の気まぐれではない。これは明らかに、政府による農政の長年にわたる失敗と怠慢の帰結である。にもかかわらず、現政権の中枢から聞こえてくるのは、驚くべき責任転嫁の声ばかりだ。農水省への怒りを演出し、あたかも官僚機構こそが元凶であるかのように描き出すーーこれは政権による巧妙な情報操作であり、国民の怒りの矛先をずらすための意図的なスケープゴート化に他ならない。経済誌『プレジデント』元編集長で作家の小倉健一氏が、政権の罪を抉り出す。

目次

石破首相が「農水省にものすごく怒っている」の波紋

 記録的な米価高騰に国民生活が悲鳴を上げ、その元凶が長年にわたる自民党政権の失政にあることは明白である。にもかかわらず、政権中枢からは、驚くべきことに農林水産省への責任転嫁が始まった。政治ジャーナリストの田崎史郎氏がテレビ番組で暴露した、石破茂首相の農水省に対する「ものすごい怒り」と、責任を官僚組織になすりつけようとするその姿勢は、自らの党が犯してきた罪から目を逸らし、国民を欺こうとする、醜悪な責任逃れの極みと言わざるを得ない。断じて許すことはできない。

 フジテレビ系情報番組「サン!シャイン」(5月8日)に出演したジャーナリストの田崎史郎氏は、17週連続で値上がりし5kgあたり4233円に達したコメ価格について、「明らかに農林水産省の失敗なんです」と断言したという。さらに田崎氏は、「石破(茂)さんも農林水産省にものすごい怒っていて、それで昨日、自民党の小野寺(五典)政調会長を呼んで、コメの値段下げるように党の方で考えてくれ、と。で、農水省に言ってもなかなかやらないんです。備蓄米の放出も実は、官邸がやらせたんです。農水省が自主的にやったんじゃないんです」と、あたかも農水省が抵抗勢力であり、官邸主導でようやく対策が動き出したかのような内幕を解説した。そして、「官邸内で農水省への不信感を持っている声」や、石破首相が「農水省の問題だってずっと分かっているんです」と考えていることまで明かしたとされる。

 これが事実だとすれば、石破政権、そして自民党の無責任体質は、もはや救いようのないレベルに達している。

“778%関税”が象徴する自民党農政の欺瞞

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