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参院選後に3年間の「増税地獄」がやってくる理由…国際政治アナリストが警鐘 野党もダンマリの次なる増税ターゲット

 ステルス増税が続く自民党政権下で、国民の負担は増え生活は苦しくなる一方だ。しかし減税を主張する野党が互いに有権者の票を奪い合うのを横目に、与党は虎視眈々と次の増税を狙っているという。国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏は、今夏の参議院議員選挙後に3年間の「増税地獄」が訪れる可能性が高いと警鐘を鳴らすーー。

目次

「減税票」食い合う野党を横目に自民党は余裕の増税モード

 2025年7月下旬に参議院議員選挙が行われる予定だ。今回の参議院議員選挙では、既に衆議院で過半数割れとなっている自公政権からの政権交代が争点となる。しかし、現在の政治の状況を見る限り、自公政権が過半数割れする可能性は少なそうだ。

 野党各党はバラエティに富んだ消費税減税を打ち出しており、「減税を望む有権者の票」をお互いに食い合っている状況だ。そのため、内閣支持率が危険水域に突入しているにも関わらず、与党が参議院でギリギリ過半数を維持するとの見通しもまことしやかに囁かれている状態である。その結果、自民党は国民が求める減税の声を全く無視する方向に舵を切っている。

参院選後は3年間の「増税地獄」が待っている

 有権者にとって重要なことは、参議院議員選挙後に「何が起きるのか?」だ。そして有権者が知るべきなのは「参議院議員選挙後、3年間の増税地獄が待っている」ということだ。

 政治家は選挙前だけ「増税反対」「減税賛成」の声を上げるものだ。特に選挙が厳しいということになると、それまでの発言を180度転換する嘘をつくことも何とも思っていない。しかし、一度選挙という熱湯が喉元を通り過ぎてしまうと、何事も無かったかのようにそのような公約は忘れてしまう。民主党政権交代時に「ガソリン値下げ隊」という名称で減税を主張していた議員が当選後に舌の根も乾かないうちに「そんなこと言ってましたっけ」と言い放ったことは印象的だった。

 今年の参議院議員選挙が終わった後、衆議院解散が無ければ、国政選挙は原則として3年間行われることはない。したがって、3年間の国政選挙が無い間、政治家は「増税反対」「減税賛成」という言葉を口にする必要は無くなる。

次に増税のターゲットになるのはこれだ 野党も賛成する課税対象

 この事は国民にとっては増税地獄の3年間が訪れることを意味する。では、この3年間で増税が新たに決まる内容はどのようなものになるだろうか。

 容易に増税される税金は「野党」が賛成している増税だ。

 与党は野党からの風当たりが弱い税金を増税することを選ぶ。かつて自公民による三党合意が成立し、安倍政権の間に「消費税」が5%から10%に倍増することになった。与党が三党合意のように消費税増税で野党第一党が合意している政治環境を見逃すはずがないからだ。日本に蔓延している増税政治とはそういうものなのだ。

 さて、今回の参議院議員選挙が終わった後、与党が実現する増税は「資産」に対する課税である可能性が高い。具体的には、金融所得課税や金融資産課税など、日本国民が人生を通じて築き上げた資産自体またはその運用への課税を強化する動きが活発化する見通しだ。

減税派のはずの野党も軒並み増税容認…国民の貴重な資産が危ない

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この記事の著者
渡瀬 裕哉

1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 早稲田大学公共政策研究所招聘研究員、事業創造大学院大学国際公共政策研究所上席研究員。機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。2016年トランプ大統領当選、2020年民主党による大統領・連邦上下両院勝利を正確に予測し、米国政治に関する分析力に定評がある。『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 』(すばる舎)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)

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