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「安野貴博氏、デジタル大臣に」竹中平蔵氏…不勉強なタレント議員らを大臣にする自民党のどこが「責任政党」なのか

(c) AdobeStock

 先の参院選で大敗した石破・自民。石破茂総理に責任を求める声が日に日に大きくなる一方で、本人は継続する意志を国民に伝えた。一方で立憲民主党の野田佳彦代表は内閣不信任決議案の今国会での提出を見送る方針を示唆。経済学者の竹中平蔵氏は「ポリコレ的には石破氏はやめるべきで、野党も不信任案を出すべきだ」と指摘する。しかしそれが実際に起こらない以上、「チームみらい党首の安野貴博氏をデジタル大臣にするべきだ」と指摘する。なぜかーー。

目次

なぜ石破総理は居座るのか

 読売新聞と毎日新聞がそろって「石破総理、退任へ」といった内容のスクープを放ちましたが、結果として石破総理は自身の口で継続する意志を国民に伝えました。では、あの報道は一体何だったのでしょう。常識的に考えれば、これだけ選挙で負けが続いたのであれば辞めるべきところです。自民党最高顧問の麻生太郎氏が「総理の続投は認めない」と語ったのも「辞任ムード」をつくった一つの要因でしょう。しかし、首相を辞めさせる方法というのは、内閣不信任決議以外、本人が辞めるしかないのです。

 それではなぜ石破総理は総理の座に居座るのか。これは権力というものの本質に関わる問題です。権力というのは、やはり判断を誤らせるものです。かつて小泉純一郎元総理が私に「権力って怖いな」と言っていたことを思い出します。郵政民営化の時に反対し、国民新党を立ち上げた綿貫民輔氏はもともと小泉さんを指導していた、可愛がってくれていた人だといいます。「最もカラオケを一緒に歌った人」だそうです。大学の先輩、後輩関係にもあるわけですが、郵政民営化を境に大きく人が変わってしまった。そして、その権力と関わることの難しさを小泉さんは感じたのでしょう。

 過去を振り返れば、三木武夫元総理も1年ぐらい居座りました。権力を持つ者にとって、それを手放すということは想像以上に困難なことなのでしょう。石破さんも、これから終戦、国連総会、といろんなイベントがある中で、総理がいないわけにはいかないですし、そういう状況を見越して、居座れると踏んでいるのだと思います。

 石破総理は、自民党は「政権を担う責任政党」であるがゆえに、「政治的空白を作ってはいけない」と継続する理由を語っていますが、むしろ辞めなくてはいけない状況なのにグダグダと続けてしまうことで結局「政治的空白」を生み出しています。

不勉強なタレント議員を大臣にして、何が「自民党は責任政党」だ

 それに「自民党は責任政党だ」と主張しながら、残念ながら不勉強な元タレント議員などに大臣ポストを渡しています。国を運営する責任を本当に果たそうとしているのか国民が疑問に思っても無理はありません。

 これは自民党から派閥がなくなった影響も大きいと思います。派閥というのは議員を指導する機能をこれまで持っていましたが、それがなくなり、今は誰も「教えてくれない」状況になっています。全員が個人商店のようになってしまい、ますます責任政党として役割を果たせなくなっています。

 ただ野党にも大きな問題があります。先日立憲民主党の野田佳彦代表は内閣不信任決議案の今国会での提出を見送る方針を示唆しました。これに対して自民党の小林鷹之議員はインターネット番組で「内閣不信任案を野党が出さないのなら、それは政権運営を担う覚悟がないということ」と批判し話題を呼びましたが、それはその通りでしょう。

 安野さんをデジタル大臣にするべきだ

 政治の常識、ポリティカルコレクトネスから言うと、石破総理はやめるべきですし、野党は内閣不信任案を出すべきです。政治空白を石破さんが作っているし、野党も作っている。何もできない状況です。選挙前に自民党が公約に掲げた給付金2万円もがどうなるのかもよく分かりません。衆参両方で自公が過半数を失った今、補正予算案は野党の協力なしでは通らない状況です。

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