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加熱式たばこ税、法人税、岸田税…経済誌元編集長が指摘する「2026年4月に上がる増税一覧」国民に迫りくる最大の新負担とは

(c) AdobeStock

「減税か給付か」を問うた先の参議院選挙では、給付を抱えた自民党が大敗し、減税を訴えた新興野党が躍進した。国民は「減税」という民意を示した。それにも関わらず、政府が新税の創設の検討を始めている。一体なぜなのか。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が解説していくーー。

目次

歳出の無駄を削れば補填できる財源はいくらでも見つかる

 日本国民の生活に暗い影が忍び寄っている。賃金の上昇が物価上昇についていけない事態が常態化するような悪夢のような状況が続く中で、政府と自民党は国民からさらに搾り取る策を積み上げている。

 負担を決定づける自民党税制調査会、その頂点に立つ宮沢洋一氏の言動は、国民の苦境への無理解と冷酷さを端的に示している。宮沢氏と財務省とは忠実に伴走して、減税論を封じ、増税の道筋を淡々とつけてきた。永田町と霞が関の論理が日本経済の首を絞め続けている。

 2025年5月、宮沢氏は消費税減税について「(減税は)国と地方に大きな影響がある。それをどうするのかという課題がある」「実務的にも財政的にも大変厳しい問題だと思っている」と言った。本来ならば、歳出の無駄を削れば補填できる財源はいくらでも見つかる。政策効果を測ることすらしていない補助金や採算性のない公共事業、地方創生、地方交付金を削減すれば、数兆円単位で財源を生み出すことは可能である。ところが石破政権・自民・宮沢氏は歳出改革を語らず、増税ばかりを強調している。

 物価高で実質賃金が2年以上マイナスを続ける中、効果的な経済対策の一つは消費税減税である。逆進性の高い税を一時的にでも引き下げれば可処分所得が増え、冷え切った消費を刺激する。経済が活性化すれば法人税や所得税の増収につながる可能性が高い。宮沢氏は短期的な税収減だけを問題視し、成長による税収増の視点を欠落させている。国民を犠牲にしてまで守るべき財政規律とは何か。財務省の机上の数字を守るために国全体が貧困化していく現実は容認できない。宮沢氏の発言は国民よりも財務省の論理に奉仕する、典型的な官僚政治の象徴である。

 宮沢氏の国民生活軽視は年収の壁問題でさらに鮮明となった。パート労働者の就労意欲を削ぎ、人手不足を助長する「103万円の壁」をめぐる議論で、宮沢氏は国民民主党が求めた178万円への引き上げ案を「グリーンの近くにも来ていない」と嘲笑した。自民・公明が提示した123万円という小幅な修正案に固執し、抜本的な改革を拒んだ。

国民から奪うことしか考えない姿勢

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この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

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