関東学院が東大・ハーバードを蹴散らす!学歴厨が悔しがる進次郎の本当のスゴさ「目指す2つの規制緩和」日本経済どう変わる

10月4日は自民党総裁選の開票日だ。FNNの調査によると、総裁選を巡り高市早苗氏が党員票ではリードしている。ただ、国会議員票は小泉進次郎氏が80人を上回る支持を得て、総合的にはトップに立っているという。いよいよ今日に迫った総裁選だが、メディアや政界関係者は「小泉総裁でほぼ決まり」ととする。では小泉総理が誕生した暁には日本、経済はどう変わっていくのだろう。一つのキーワードは規制改革になりそうだ。ジャーナリストの池谷悟氏が取材したーー。
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「やっぱり仲間がいないと」は高市ではなく茂木のこと?
猛暑の夏も終わり、セミの鳴き声とともに、すっかり石破茂総理大臣の話題を聞かなくなった。思えば昨年秋、衆院解散総選挙で大敗を喫した石破政権について、年内にも辞任表明するのではと憶測が流れた。が、結局ズルズルと総理の座を守り続けた。その間、東京都議会議員選挙、参議院議員選挙と2つの大きな選挙に負け、読売新聞と毎日新聞から退陣報道が報じられた。それでも、無理矢理石破政権を継続し全国紙2紙による大誤報を確定させた。
石破政権の最終局面ではなぜか野党、それも超革新的思考の人から継続を求められるなどわけがわからない状況になっていた。そんなに石破総理に続けてもらいたいなら、選挙で野党に票をいれずに自民党にいれればよかったのに……。
ただ森山裕幹事長が辞意を表明すると、もうどうにもできないと自ら退任を申し出た。この時の読売新聞の報道はいつもより慎重に期した表現を使っていたように思える。
そして総裁選が始まった。当初は小泉進次郎氏が圧倒的優勢と見られていたが、週刊文春が「ステマ依頼」について報道した。これについては陣営が応援コメントを書くことはステマでもなんでもないという反論もあったが、いずれにせよ誰か特定の候補者について貶めるようなコメントもあったことに対しては、どうしても悪い印象を持ってしまう人が多かった。
その特定の候補者というのが総裁選における小泉氏のライバル、高市氏だ。「ビジネスエセ保守に負けるな」「やっぱり仲間がいないと政策は進まないよ」といったコメントの文例を陣営の牧島かれん元デジタル相(陣営の総務・広報班長)が考案した。
しかしこれに対して小泉陣営が一人が反論する。
「『やっぱり仲間がいないと政策は進まないよ』とは高市さんもそうなのかもしれないけど、本当に仲間がいないのは別の候補者である茂木敏充氏のことなんじゃないなのかな」
どんなに騒いでも結局小泉が総理になりそう
そんなのはどっちでもいい話なのだが、この報道後、小泉氏は失速した。日テレなどの党員票調査によれば、高市氏に追い抜かれてしまった。
そもそも総裁選は自民党の党員・党友・国会議員の投票によって決めるもので、ほとんどの国民にとっては見ているだけで関与はできない。確かに気になるけど、所詮は自民党内で決めるだけの話だ。世間の注目度が高いが故に報道がたくさんなされるが、どこかはがゆさを感じる国民も多いことだろう。
そうした茶番劇のような総裁選ももう終わりそうだ。そして報道によれば、結局小泉氏が優位だそう。党員票では高市氏の後塵を拝しているのだが、国会議員票では圧倒的に小泉優勢だという。そうなるとやっぱり小泉氏が総理大臣になりそうだ。
今回の選挙で国会議員は1人1票で計295票、党員票は91万人余りの党員・党友の票をドント式で各候補者に295票分振り分けていく。国会議員に対して党員・党友の意見があまりにも軽視されている自民党の総裁選だが、党員はこれでいいと思っているのだろうか。参加できない多くの国民も茶番にみえるが、自民党員ですらこれじゃ茶番に付き合わされているみたいではないか。
「小泉総理ありき」で準備が進められる
さて、仮に小泉進次郎政権が発足したら日本、そして経済はどう変わっていくのだろうか。自民党や官邸などは既に「小泉総理ありき」で準備を進めている。そして周辺の取材を進めていくと、「破壊者」と言われた父・純一郎元総理とは違って、小泉氏はいきなり大きな舵取りはしなさそうだ。
というのも、小泉氏の認識としてはすでに自民党は「ぶっ壊れている」。自民党をぶっ壊すといって総理大臣になった父に対して、小泉氏の認識としては「本格的にぶっ壊れてしまった自民党を再建する」というのがもっぱらの最優先事項だと考えているようだ。
「仮に石破総理が退任せずに解散総選挙に打ってでていたら、自民党は分裂していた。そして野党再編にもつながっただろう」(閣僚経験者)
だから小泉氏がまず注力するのは党内融和だ。まずは自民党の結束力を高める。だからこそ小泉氏が谷垣禎一元総裁を意識する。”ステマ”依頼メールの文例の中にも「谷垣総理(ママ)みたいに『みんなでやろうぜ!』」というものもあった。
小泉が総理としてやりたいこと
自民党がどうしようも立ち行かなくなり下野したが、その自民党をまとめて立て直したのが谷垣氏だからだ。
そうなると当然閣僚は、今回の総裁選のライバルたちの起用も多くなるだろう。高市氏だけじゃなく茂木敏充氏の外務相起用や、林芳正氏の官房長官留任など様々な想定がなされる。
党内融和が実現できた上で次のフェーズでやりたいことの一つが規制改革だ。例えば労働規制改革やライドシェアの導入などだ。
労働規制改革つまり解雇規制緩和やライドシェアはいずれも自民党が一枚岩にはなれない案件だ。しかしそれに立ち向かいたいという野心には父・純一郎の姿がみえる。そしてそれらを実現できたら日本経済にとって大きなプラスになる。とくに解雇規制は日本経済そのものを変える可能性を秘めている。
純一郎氏は三位一体改革や郵政改革を断行するためにしがらみを切ってきた。そして反対するものは謀反者扱いもしてきた。”純一郎氏と違って愛想がいい”と言われる小泉氏に本当にそれができるかどうか。注目が集まる。
進次郎って馬鹿なんかじゃない
そしてよく言われるのが「進次郎氏って馬鹿なんじゃないか」という疑問だ。大変失礼な話なのだろうが、ネットミームの進次郎構文しかり、ネットにおける小泉氏は「おバカだけど憎めないキャラ」が定着してしまっている。関東学院大学卒、コロンビア大学院という学歴も、学歴コンプたちの繊細な心を刺激する。本人が努力したかどうかなど一切考慮せず「学歴ロンダリングだ」などと批判する姿は滑稽でもあるが……。
しかし小泉氏をよく知る議員は「進次郎が馬鹿だと言うなら、お前(記者)も馬鹿だ。あれ(の頭脳)は半端ねーぞ」と憤る。議員になってからたった16年で総理になる。今回の候補も東大ハーバードが3人もいたが、関東学院大卒が蹴散らそうとしている。”馬鹿”がそんなことをできるのだろうか。進次郎を「馬鹿だ!馬鹿だ!」と罵る国民たちはもう一度冷静に考えてみてはいかがだろうか。
「やっぱり仲間ががいないと政策は進まないよ」という”ステマ依頼”文例にもあったが、やっぱり仲間がいないと政策は進まないし、小泉氏は支える仲間が多い。例えば”馬鹿”であっても支えてくれる人がいれば、補えるはずだ。自民党政権が続く限りは。
低支持率内閣の発足か
そう、純一郎氏が総理になった時と大きく異なることになりそうなのは、発足時の支持率だ。小泉純一郎内閣の支持率は80%を記録した。近年の自民党ではとても考えられない水準だろう。そういった圧倒的な国民の後押しが改革断行への裏付けにもなったはずだ。ちなみに、2025年9月の石破内閣支持率は27.7%(時事通信)だ。
小泉氏は文春報道によるイメージダウンもさることながら、自民党員の多くは高市総理を希望したという事実が重くのしかかる。低い支持率から始まることが予測される。また父・純一郎政権が頼りに頼った公明党という選挙マシーンも弱体化が顕著だ。日本維新の会との連立も模索されるが、その維新も落ち目にある。かなり難易度の高い政権運営になりそうだ。
それでも、小泉進次郎氏が総理大臣になる可能性が高い現状において、国民は期待と不安が入り混じった複雑な心境で見守ることになるだろう。難題山積の日本を、彼がどのように導いていくのか。その手腕が今、問われようとしている。