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安倍政権、5つの遺訓…高市早苗新首相「自民党保守層が託した最後の希望」財務省からの独立、規制緩和、縦割り打破、そして…

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 10月4日、石破茂総裁の辞任に伴う自民党総裁選が開票日を迎え、下馬評を覆す形で高市早苗氏が新総裁に選ばれた。女性初の総裁であり、来る首班指名でも総理大臣に選ばれることになるだろう。当初は高市氏は党員票では小泉進次郎氏に勝るものの、議員票では劣るとされ、総合的に小泉氏が総裁になる可能性が高いと各マスコミや永田町関係者は分析していた。しかし蓋を開けてみると決選投票では党員票・議員票ともに高市氏が勝った。そんな高市氏は保守票に強いとされ、今回の総裁選もその保守票に押される形で議員票も動いたという見方もある。故・安倍晋三元総理が圧倒的強さを見せたのも、その保守票があってのことだった。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏は高市氏の政権の「羅針盤となるべきは、高市氏が政治信条の源流と公言してはばからない、安倍晋三元首相が遺した政治的遺産であろう」と指摘する。小倉氏が安倍政権の「5つの遺訓」を解説するーー。

目次

第1の遺訓は、「靖国神社へ行け」である

 自民党結党以来、初めて女性総裁が誕生した。高市早苗氏が、幾多の挑戦の末にその座を射止めたのである。党員票の力強い支持を背に、決選投票を制したその姿は、政治の新たな景色を予感させるに十分であった。日本初の女性総理大臣となる高市氏は、一体何を背負い、この国をどこへ導こうとしているのか。その羅針盤となるべきは、高市氏が政治信条の源流と公言してはばからない、安倍晋三元首相が遺した政治的遺産であろう。

 安倍政権が築いた約八年間の足跡は、単なる政策の寄せ集めではない。そこには「戦後レジームからの脱却」を掲げ、日本の自立と誇りを回復しようとした一貫した思想が脈打っている。高市政権が、安倍政権の正統な流れを継承するのならば、その表層的な政策をなぞるだけでは不十分だ。その根底に流れる精神、いわば「遺訓」とも呼ぶべきものを深く理解し、守り抜く覚悟が問われる。もしその遺訓を五つに絞るならば、以下のものとなろう。これらは、新首相が保守の本流を歩むための道標であり、激動の時代を乗り切るための叡智でもある。

 第1の遺訓は、「靖国神社へ行け」である。

これは単なる儀礼的な参拝を促すものではない。国家のために命を捧げた英霊に尊崇の念を表すという、一国のリーダーとして当然の責務を果たす覚悟を問うものだ。

国の主権者としての矜持を内外に示す行為となる

 安倍元首相は在任中の2013年12月、一度だけ靖国神社を参拝している。この行動は保守層から熱烈な支持を受けた一方で、近隣諸国からの激しい反発を招き、外交的な緊張を生んだ。結果として参拝が一度きりになったのは、連立を組む公明党への配慮という、現実政治の妥協の産物であったのかもしれない。

 しかし、高市新首相の立場は異なる。高市氏を総裁の座に押し上げた原動力は、まさしく安倍氏の理念を最も純粋な形で継承することを期待する、岩盤ともいえる保守層の支持である。その期待に応えることは、政権の生命線を維持することに等しい。公明党の斉藤代表が新総裁との会談で歴史認識への懸念を示したように、その道には軋轢が待ち受けているだろう。だが、これはいわば「連立以前の原則」として守られるべきではないか。メディアの批判や国際的な非難という予想される嵐を恐れていては、何のための保守政権なのかという根源的な問いに突き当たる。

 靖国参拝は、日本の歴史と伝統に対する敬意の表明であり、東京裁判史観に象徴される戦後レジームを乗り越えようとする意志の象徴だ。その静かなる一歩は、あらゆる批判を乗り越え、この国の主権者としての矜持を内外に示す行為となるはずだ。

立憲民主党に挑発的な論争を仕掛けよ

 第2の遺訓は、「立憲民主党に挑発的な論争を仕掛けよ」である。

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