増税ラッシュが日本を襲う!早速始まった高市・自民の「口だけ減税」…維新と一緒に国民負担増だ!無計画な補助金の嵐

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 高市早苗政権がスタートした。内閣メンバーの評判もよく、「グッドスタート」を切ったという評価がある一方で、新たな増税の案も報道ベースでは確認できる。減税インフルエンサーのキヌヨ氏が高市政権をぶった斬る――。

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目次

減税ムードは「選挙の盛り上がり」で終わるのか

 最近では選挙のたびに「減税」が叫ばれる。だが、国会では一向に進まない=この構造をどう考えるか。昨年末から参議院選挙にかけて、ガソリン税に上乗せされている「暫定税率」(1リットル当たり25.1円)廃止の声が高まった。野党7党(立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、参政党、日本保守党、社会民主党)で「ガソリン暫定税率廃止法案」を衆院に提出。11月廃止を掲げていた。支持率を下げ続けた与党も「既定路線」との姿勢を匂わせた。ところが――。

 高市政権に変わり、野党7党の11月廃止案は年内廃止を「目指す」に後退した。それどころか、「ガソリン減税の代わりに増税を」という話がまた与党筋から出てきたのである。報道によると株取引などの「もうけ」にかかる税金を増税する案、いわゆる金融所得課税強化が浮上。これでは減税ではなく“税の付け替え”である。

こんな展開を許していいのか。

 野党側が「増税なしの減税」という根本スタンスを貫いたのに対し、自公与党は「代替財源がなければ減税できない」と一貫して反論してきた。折り合いがつかなかったと言えば聞こえはいいが、政府自民党の頭の中は「増税ありの減税」しかないと言い切っていい。首をかしげたくなるのは、夏まで共に「増税なしの減税」に旗を振っていたはずの維新が、与党に転じたとたん「増税ありの減税」陣営にすんなり合流してしまった点だ。減税を支持していたにも関わらず、政権側に回った途端に政策を翻した。SNSでよく話題になる“減税潰しの維新”そのものである。

 振り返れば、今年2月の予算編成時も同様だ。勢いに乗っていた国民民主党が提示した“ガソリン減税”“年収の壁撤廃”といった減税策を、維新は見て見ぬふりをし、むしろ自民党と組んで教育無償化と引き換えに予算案を支持。選挙で弱った自民に手を貸し、減税の火を消した。ここにきて“高校無償化、26年度開始”と報じられたが、維新・自民・公明が合意した政策文書には「税制による対応も含め、恒久財源の確保が不可欠」と記されている。

高校生の授業料6000億円を国民が負担

 要するに、授業料として国民が6000億円を負担する“名ばかり無償化”であり、歳出削減と書いていない以上その財源は増税だ。維新は自民党によるバラマキと増税の政治を数で補完しただけに過ぎない。

 選挙と世論で温まった減税を実現するには、こうした“政策の裏切り者”を決して許さないこと。選挙だけでなく、SNS・メディア・地域集会・掲示板でその動きをチェックし、批判を続けるべきだ。実際、維新は議席を減らし続け、政界での存在感を徐々に削がれている。自民党にとっての利用価値がなくなるまで、裏切り者を減らそうではないか。

 今、我々は値上げの嵐の中にいる。2024年には1万2520品目、2025年には2万品目超とも言われる価格上昇が確認されている。そんな苦境にあって、我々庶民にはさらに“増税ラッシュ”が控えている。4月からは「子ども・子育て支援金」の名目で月額350〜1650円の増税が開始。加えて国民健康保険料の連続引き上げ、岸田政権が決めた防衛費倍増のための所得税・法人税・たばこ税増税――。“負担の雪だるま化”である。

物価高・値上げラッシュの中で「なぜまだ増税?」

 では、なぜ税収が過去最高に増え続けているにもかかわらず、増税が止まらないのか。答えはシンプル:税収以上に歳出が膨らんでいるからだ。2026年度予算の概算要求では、一般会計要求額は前年117兆円を上回り122兆円台へ過去最大。ついに120兆円の大台を超えた。これは高齢化による社会保障費の伸び、防衛費・国債償還費の拡大、そして無計画な給付金・補助金の“嵐”が背景にある。

 たとえば、緑化助成金、CEV(電動車)補助金、婚活マッチング補助金など、個人向けの給付金が何十種類も生まれ、企業向け補助金も7000種へと増え続けている。それに伴い税金ビジネスを手掛ける企業やインフルエンサーが増え続けている。さらには、台湾最大手の半導体企業へ日本国内で数千億円の補助、海外への有償資金2兆円、対米80兆円投資(民間経由で行う保証を国債で賄う仕組み)――。減るどころかむしろ“膨張”を続ける歳出構造である。これは石破茂政権から高市早苗政権に移っても何も変わっていない。

 SNS上では相変わらず右か左かがよく話題となるが、この国が衰退しているのはイデオロギーのせいではない。お金(税金)が原因である。この無限増税の流れを打ち破らなければ、「国が崩壊する」という恐怖は、まさに現実になる。

なぜ「減税=国崩壊論」が蔓延するのか

 政府は「国民が要求する減税を回避しなければ財政が持たない」と繰り返すが、財政の原因は政府側なのである。

「減税すれば国が崩壊する」という見方は、減税派を萎縮させるための枠組みであると私は考える。確かに、財源がないまま大規模な減税をすれば何らかの弊害を伴う可能性はあるが、これを“即崩壊”まで論じるのは誇張だ。問題の本質は、「減税を可能にする歳出改革・無駄削減の選択肢が政治から消えている」ことにある。

 補助金・助成金・給付金など“ばらまき型”支出は一向に縮まらず、『片手で増税を叫びながら、もう片手で歳出の蛇口を開けている』という矛盾が政治にはある。減税論の最大の敵は「税を下げたら国が危ない」という虚構であり、それを支えているのが「歳出改革を拒む政権・与党」である。

今こそ、有権者が“減税側”“増税側”を見極めよ

 減税を実現するためには、有権者が「その際の財源・歳出改革をどう考えるか」を問い続ける必要がある。以下、3つのチェックポイントを提示する。

  1. 「増税なし減税」を明言しているか?
    言い換えれば、「代替財源=増税」ではないと明言できるか。また、財源案として真に歳出削減・不要助成金廃止を掲げているか。
  2. 歳出削減の具体案を持っているか?
    減税を叫びながら歳出見直しに触れない政党・候補者は“口だけ”である。補助金・助成金の精査、公共事業の効率化、行政改革などを明示しているか。税収増や国債などに逃げていないか。
  3. 関与を続けているか?
    選挙のときだけ票を入れるのではなく、SNS・地域集会・口コミで議員・政党の発言・公約を監視し、裏切りがあったら徹底的に批判し続ける。「裏切り者の議席を減らす」ことこそが、減税実現の鍵だ。

「減税=国が崩壊する」という図式は、財政当局・与党によって何度も提示されてきたが、冷静に見れば“減税をしないため”の言い訳でしかない。真に崩壊を招いているのは、歳出の肥大化だ。我が国の自治体でも同じ構図が見える。例えば、地方創生補助金など、地方の“無駄”や“非効率”を削ることができれば、地方財政も破綻を防ぐことができる。今まで我々は「減税をしたら地方/国が破たんする」と刷り込まれ、歳出改革を先送りにしている。その結果、国民は二重に苦しむ:値上げ・税負担増にさらされ、しかも「その金使って何やってんだ?」という無駄に呆れる。

我々は「値上げラッシュ」「増税ラッシュ」の渦中に

 だからこそ私は声を大にして言いたい。「減税を恐れるな。歳出の肥大化を許すな」。

 減税を実現するためには、歳出削減しかない。この構図を徹底的に有権者が把握し、裏切る政党・議員を「票の力」で処罰しなければ、いつまで経っても“選挙時だけの減税ムード”で終わる。

 選挙で盛り上がる減税世論が、国会で何も動かないのは、誰のせいか? 政党・与党の罪だけではない。減税を掲げながら政権ポジションをとると手のひら返す政党・議員を許してしまう環境にも原因はある。“選挙以外”の日常での監視・批判・連携こそが、減税実現の力になる。SNSの一投稿、地域の討論会の一声、掲示板の書き込み――その小さな1つ1つが、裏切り者にとって「このままじゃいかん」と思わせる力を持つ。

 今まさに、我々は「値上げラッシュ」「増税ラッシュ」の渦中にいる。これをただ受け入れるだけで終わっていいのか。減税を実現したいなら、無駄を削り、裏切り者を見極め、声を上げ続ける。そして、選挙だけの“減税パフォーマンス”で終わらせず、国民の暮らしを、未来を、真に変えていこう。

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この記事の著者
キヌヨ

SNSで活動する「ナイス減税会」立ち上げメンバー。税や法を通じて他人を支配できる力に対し、減税というシンプルで力強い手段で個人の自由を取り戻す運動を展開中。政治家や官僚もまたコントロール欲から逃れられない存在であることを見据え、今日も減税片手に増税政治家に単身切り込んでいく。

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