「忘れてほしくない」豪雨の被災者と、その心に寄り添う…数えきれないほどに身を切り、支援してきた羽生結弦の『伝えたい思い』

「こんなに穏やかなんだな」
2023年7月、九州地方を再び豪雨が襲った。九州3県で5人が死亡、3人が行方不明(14日現在)。土砂崩れや河川の氾濫、浸水被害により被害は広範囲に及んだ。避難情報で最高となるレベル5「緊急安全確保」は約19万世帯、41万人以上に発令された。
遡ること2ヶ月前の2023年5月。羽生結弦は九州にいた。この九州地方は2012年、2017年、そして2020年にも集中豪雨による被害を受けている。2012年は死者30人行方不明2人、2017年は死者40人行方不明2人、2020年には死者79人行方不明者2人(九州以外も含めると死者86人)の犠牲を出した。とくに2020年の被害は「熊本豪雨」と呼ばれる。
羽生結弦はその被災地九州、熊本県にいた。
5月の時点では何も起きていない。かつての爪痕は残されているが、熊本県を流れる球磨川も美しい姿のまま、川面に風を滑らせていた。
「こんなに穏やかなんだな」
被災者の話を聞き、心に寄り添う羽生結弦
羽生結弦は球磨川を眺め、呟いた。「この風景からは考えられない」とも。実際に熊本の現地に足を運び、被災とその地の被災者に心をくだく。実際に被災者の話を聞き、心に寄り添う。