私はやはり、幸せになって欲しかった…この残酷な世界の羽生結弦という存在に寄り添う

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羽生結弦が椿姫に身を置く姿、見たくなかった
おとぎ話でない、現実の世界で『椿姫』のような悲しい男女、観たくない。
いや、現実世界に『椿姫』のような出来事、あります。
でも、羽生結弦を「椿姫」にはしたくない。
氷上なら『椿姫』、それは羽生結弦なら美しく演じるでしょう。かのステファン・ランビエールのプログラム『椿姫』とはまた別の素晴らしさを以て滑るでしょう。もはや満足に滑れないほどに満身創痍であった星の王子、それでも引退を撤回してランビエールは9回目のスイスフィギュアスケート選手権優勝、欧州選手権で銀メダルとなり、3大会連続五輪の切符を手に入れました。
あの小デュマの小説を、ヴェルディのオペラを、ノイマイヤーのバレエ(『マルグリットとアルマン』とも)を題材にした氷上の『椿姫』、羽生結弦ならどう滑るでしょう。あくまで、私個人の空想ですが。
でも、こうして現実の羽生結弦が、椿姫に身を置く姿は、見たくなかった。
マルグリットは「あたしを好きになるなんて、 およしになってね」
パリに住む美人で気立てのよい女、マルグリットは「椿姫」と呼ばれていました。彼女に求愛する者は後を絶たちません。青年アルマンはそんな「椿姫」マルグリットに恋をしました。
アルマン「はじめてあなたをお見かけしてからというもの、 どうしてだか、 なぜだか自分でもわからないんですが、 あなたがぼくの生活の中にはいり込んでしまって、 いくら思うまいとしても、 あなたの面影がいつも目の前にちらついているんです。 あなたはもう、 ぼくにとっては、 なくてはならぬ人になったのです」
マルグリットは「あたしを好きになるなんて、 およしになってね」とやんわり伝えますが、アルマンは引きません。