自民党・茂木幹事長「世襲議員が多いことについては見直しが必要」サラリーマン家庭出身の元マッキンゼー「民間の当たり前を政治の当たり前に」

時事通信社の5月世論調査(5月10〜13日実施)によれば、岸田文雄首相に自民党総裁任期が切れる9月以降も続けてほしいとの回答は、たったの6.0%だった。
NHKの世論調査では、内閣支持24%、不支持55%と危険水域で支持率が持ち直す気配がない。
国民の怒りの第一は、自民党の「政治とカネの問題」だ。NHKの調査でも、「政治とカネの問題への対応で岸田総理大臣が指導力を発揮していると思うか」という問いに対して、「大いに発揮している」が2%、「ある程度発揮している」が17%、「あまり発揮していない」が41%、「まったく発揮していない」が33%だった。
今回、自民党の幹事長である茂木敏充衆議院議員に、政治とカネについて直撃した。
茂木幹事長は、2012年に第2次安倍政権が発足して以降、閣僚として経済産業大臣、経済再生担当大臣、外務大臣を、自民党においては選対委員長、政調会長、そして総裁に次ぐポストである幹事長と名だたる重要なポストを歴任した、ポスト岸田の一人だ。連続インタビュー第2回――。
動画:独占インタビュー”自民党のドン”茂木敏充幹事長「私が総理大臣になったら、日本こう変えたい」 トランプ前大統領に認められた「元マッキンゼー男」の野望 世襲議員が多いことについては見直しが必要
目次
たしかに自民党は世襲議員の割合が多いかもしれません
ーー茂木幹事長は、サラリーマン家庭で育ち、世襲議員ではない。自民党の世襲比率は高く、毎日新聞(2023年6月26日)の調査では<2021年の前回衆院選では、世襲候補は全体で12・5%を占めた。政党別では自民党が約3割、次いで立憲民主党が約1割で、自民党の割合が突出している>とある。この調査には含まれていないが、自分の妻の父親が政治家である人を含めるとこの割合はさらに高まると思われる。
茂木氏は、自民党の非世襲議員として、苦労も多かったのではないか。

(茂木幹事長)
たしかに自民党は世襲議員の割合が多いかもしれません。そして、親どころか親戚にすら政治家がいない私が政治の世界に飛び込むときは「地盤(組織力)、看板(知名度)、カバン(資金力)」なしで、選挙を戦わなければならなかった。不利な点もあったと思います。
しかし、私の人生で不利だったのは選挙だけではありません。私の小学校は山間部にある田舎の「分校」でした。私が通った小学校(足利市立北郷小学校月谷分校)は、児童数の減少で1996年には閉校してしまい、今はもうありません。
都会の進学校と比較して、受験でもハンデがあったかもしれませんが、あまり気にしたことはありませんでした。
選挙についても地盤、看板、カバンがないことは不利かもしれませんが、そういった困難を乗り越える意思が、国政を目指すには必要だと思います。私は色々な事をポジティブに捉えています。
ただ、世襲議員が多いことについては見直しが必要
ーー世襲議員をみて、ちょっと羨ましいなと感じたときはないのか。
(茂木幹事長)