東大医学部卒の医師が暴露「健康診断は当てにならない」日本の健康基準は勉強ができない人がつくっている…脳トレ・数読も「認知症対策にはあまり効果ない」

『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』 (講談社+α新書)などのさまざまな著書で、常識を覆す医学の真実を啓蒙してきた医師の和田秀樹氏に、“当てにならない健康常識”について聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「健康情報の本質だけをまとめました」第2回。
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和田秀樹「日本の健康診断基準は当てにならない」
これは私がさまざまなメディアでお伝えしてきたことですが、健康診断の数値は、一部の人にとっては当てにしてはいけない数値です。
なぜ当てにならないのか。それは健康診断の基準の作り方について考えればわかります。
健康診断にはいろいろな検査項目がありますよね。その項目の基準となる数値はどのように作るのか。
健康診断では、健康な人を1万人連れてきて、全員の数値の平均値から±2の標準偏差までを健康の基準とする、と決めています。
その理屈でいくと、平均身長が170cmだったときに、大谷翔平は身長193cmですから、これは「異常値」となるわけです。
日本では、ウエストが男性85cm・女性90cm以上で、なおかつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると「メタボリックシンドローム」と診断されることになっていますが、例えば、大谷翔平のウエストはおそらく100近くあるでしょう。ただ身体が人よりも大きいだけで、「メタボ」と診断されやすくなるわけです。
このように、健康診断の数値は、すべての人が参考にして良い数値とは言えません。
日本人の高齢者はもっと積極的にコレステロールと塩分を摂取すべきである理由
日本の健康診断の基準値は、海外の数字をそのまま流用してきているので、変な基準で作られてしまっているのです。
前回の記事でもお伝えしたように、特に日本人の高齢者の場合、コレステロールはもっと積極的に摂取した方が良い、と言えます。それが、日本での健康診断の基準値を考えると、「コレステロールの摂取は控えた方が良いですね」と指導することになる。こういうことが、いろいろな項目で起こっているわけです。