人気モデルがトランプ氏と食事会の安倍昭恵さんに苦言「もう少し日本のこと考えて」…海外論文は「非公式な仲介者が平和構築に重要な役割」

今投資家はドナルド・トランプ氏のSNS投稿に強く警戒している。いつ何時思わぬ“口先介入”してくるかわからないためだ。経済政策についてはトランプ氏はすでに中国・カナダ・メキシコに対する追加関税を示唆している。そういった関税や不法移民対策は再びインフレを加速させる恐れがある一方で、トランプ氏は貿易赤字の是正を訴えており、それが金利引き下げ圧力となる可能性もある。つまり何がどうなるかわからないが、なんだか波乱起きそうなのだ。
しかし、悲しいことに、日本はトランプ外交のキープレイヤーになれていない。トランプはもっぱら中東や南北アメリカに重点をおいており、日本の石破茂首相との電話会談はたったの5分で終わってしまった。だがそんな中、安倍晋三元首相の妻・昭恵氏がトランプ夫妻と会食を行ったのだ。そして石破首相との面談をアシストしてきたのだ。このファインプレーを称賛する声がある一方で、批判する声も出ている。作家で経済誌プレジデント元編集長の小倉健一氏が解説するーー。
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安倍昭恵さんを批判するオールドメディアのコメンテーター
安倍晋三元首相の妻・昭恵氏がトランプ次期大統領夫妻との会食を行ったことが、日本国内で批判を浴びている。この行動は民間人としての立場で行われたとされるが、その背景や影響について、様々な意見が飛び交っている。
人気モデルの長谷川ミラ氏は12月16日、フジテレビ系「めざまし8」に出演し、昭恵氏の行動に疑問を呈した。長谷川氏は「民間人としての肩書きは理解できるが、国葬を行った元首相夫人としての立場を考えれば、外務省や関係機関に一言知らせるべきだった」と主張した。また、「プライベートだとしても、国民が首をかしげる行動ではないか」と疑念を述べた。一方で、元大阪府知事の橋下徹氏は「夫婦は別人格であり、昭恵氏は民間人として自由に行動する権利がある」と反論した。
同じく12月16日に放送されたテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」でも、この話題が取り上げられた。元テレビ朝日社員の玉川徹氏は、「非常に微妙な時期において、昭恵氏が会食に応じたことは不適切だ」と非難した。そして「トランプ氏の予測不可能な行動が国際的な不安要因になり得る中、民間人である昭恵氏が外交的影響を及ぼす可能性がある行動を取るのは慎重さを欠いている」と述べた。
昭恵氏の行動は、批判を受けるようなことなのか
また、玉川氏は昭恵氏が過去の「モリカケ問題」にも関与したとされることから、「結果的に日本に不利益をもたらす可能性がある」と警鐘を鳴らした。
これらの議論には、昭恵氏の行動を擁護する意見もある。タレントの石原良純氏は「個人的な関係が外交の一助になる可能性もある」と指摘し、財務官僚で信州大学特任教授の山口真由氏も「トランプ夫妻との個人的な絆が外交に寄与する側面もある」と評価した。
しかし、多くの批判は昭恵氏の行動が「民間人」としての範囲を超え、日本政府や国民に影響を与える可能性がある点に集中している。特に、政府側への事前の報告がないことや、その行動が国際社会における日本の立場を微妙にする恐れがある点が問題視されている。
しかし、本当に、昭恵氏の行動は、批判を受けるようなことなのだろうか。石破茂首相は、大統領当選が決まったトランプ氏との電話を5分で一方的に打ち切るという大失態を犯して以来、面会の見通しが立っていなかった。
小野寺政調会長が擁護する「石破首相の意味不明」
自民党の小野寺五典政調会長によれば、石破茂首相とトランプ次期米大統領との電話会談が約5分間で終わったのは、首相の気遣いによるもので、「トランプ氏はもっと話したかったようだが、会合を中座して出てきてくれていた。首相が配慮し、早めに戻ってもらった」と報道番組で明かしている。