トランプ関税に不透明な政局、でも「そんなの関係ねえ!」デイトレに失敗したFIRE投資家が捨てたモノ・つかんだ戦略

株価が一時2700 円超も急落した。2024年8月の「令和のブラックマンデー」に次ぐ下落は、激動の始まりを感じさせるには十分だ。日本銀行の利上げ延期もささやかれ、経済は不透明な展開が続いている。
政治の「不確実性」と経済の「混迷」が交錯する今、それを乗り越える道とは・・・。
バリュー株投資歴26年の経験を持つ「R i cky日本株研究所」氏(X : @j stockslab) に相場と政局の相関性、厳しい相場でも「メンタルを保つ方法」などについて聞いた。短期連載全2回の第2回ー一。(2025年4月18 日取材)
目次
「市場は予測できない」という割り切り
ーーRickyさんが考える、相場と政局の相関性についてお聞かせください。
政局と相場の関係は、予測が極めて難しいです。2024年の自民党総裁選では、石破茂氏の勝利が市場の予想を裏切り、株価が一時変動しました。
トランプ大統領の関税政策も、選挙戦では話題だったものの、実際に発動されるまで市場に目立った動きはありませんでした。こうした事例から、政局の影響はタイミングや規模が読めず、過剰反応や後付けの解説が多いと感じます。
2025年7月の参院選も、政策の不透明感から市場が下落する可能性がありますが、具体的な影響を予想するのはまず無理と言ってよいでしょう。
第1回、第2回の記事でも述べていますが、私は市場は予測できないものだと割り切り、特定の選挙結果や政策にベットする投資を徹底的に避けています。
人間は、一度自分で市場の見通しを立ててしまうと、その見通しに沿った考えが自然と頭の中で強まって、結果として認知バイアスにかかってしまうのです。
そうなると、その方向に賭けるような投資が増えてしまい、もし市場が予想と逆に動いた場合、利益につながらなくなってしまいます。
こうした認知バイアスを避けるためにも、政局と相場は別物だとしっかり認識しておくことが大切なのです。人間は無意識にいろいろな見通しや予想を立ててしまうものなので、私もその点は気をつけたいですね。
ーーRickyさんが、どのような経緯でここまであらゆることに備えるようになったのか、その背景とは?
以前の取材でも触れましたが、若い頃にデイトレードに挑戦し、苦い経験をしました。その失敗をきっかけに、‘‘資産の最大化よりも配当金の最大化を目指す’’方針に切り替え、今にいたっています。
あの失敗があったからこそ、外部の情報に流されたり、バイアスに囚われたりせず、自分自身の投資スタイルをしっかりと築けたのだと感じています。