予測困難な市場に著名投資家が注目!買い増すべき「割安銘柄」

投資家が夏季休暇で市場から離れるこの時期、株価下落リスクが気になる。普通は保有株を売って利益確定を考えるものだが、一流投資家は割安な銘柄を仕込み、秋以降の反発を狙うチャンスと捉えているのだ。
リスクを抑えつつ資金を有効活用する戦略とは何か。著名投資家はどう乗り切り、チャンスを掴むのか。
今回は、個人投資家の名古屋の長期投資家、通称「なごちょう」氏(@Nagoya_Tyouki)に、夏の買いどきや戦略について話を伺った。連載全2回の第1回。
(2025年5月21日取材)
目次
買い判断はファンダメンタルズを分析する必要
ーー夏枯れ相場(6〜9月ごろ)は、長期投資家にとって「買いどき」と言えるのでしょうか?
夏枯れ相場は、一時的な下落が起こりやすく、長期投資家にとって割安な銘柄を仕込むチャンスとなる場合があります。
ーーその理由とは?
業績が好調で配当利回りが高い銘柄が市場の低迷によって割安に放置されることがあり、こうした銘柄は長期的な視点で魅力的な投資対象となります。
一例として、最近の市場では、決算発表後に業績の上方修正や増配を発表した銘柄が、短期的な市場の反応不足から割安に放置されるケースが目立ちます。
例として、油圧機器の専業総合メーカーの油研工業(6393)は、業績の上方修正と配当の引き上げを発表した直後に株価が上昇しましたが、現在でも配当利回りが5.59%と高水準で、市場の評価が追いついていない印象です。
ただ、買いどきと判断するには、企業のファンダメンタルズを慎重に分析する必要があります。夏枯れ相場は一時的な下落である可能性が高いものの、トランプ関税や日銀の金融政策変更などの景気後退や外部要因により、大きな調整局面の始まりである可能性も否定できません。
そのため、分散投資やリスク管理を徹底し、PERやPBRが低く、配当性向が無理のない水準の企業を選ぶことが大事になってくるのです。
現在の市場では、PERが8〜10倍、PBRが1倍未満、配当利回りが4〜5%以上の銘柄が多数あるので、私のような長期投資をしている身としては魅力的ですね。