「どんな相場でも冷静に」500万円損失から逆転に成功した投資家がたどり着いた「逆張り投資」

本稿で紹介している個別銘柄:JT(2914)、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、メルカリ(4385)
2025年、トランプ関税の再燃や地政学リスクにより、株価の乱高下に投資家たちが戸惑う中、逆張りの視点でチャンスを掴もうと挑む人々がいる。
今回、フィーチャーする「おしん」氏(@oshinchan93)もその1人だ。2020年のコロナショックを機に本格的に株式投資を始め、幾多の失敗を乗り越えて独自の投資スタイルを築いてきた。
では、おしん氏はどんな投資の道を歩み、どのようにして今の投資哲学にたどり着いたのか。連載全3回の第1回は、同氏の投資遍歴と投資におけるマイルールについて話を伺った。
(2025年6月13日取材)
目次
雰囲気で短期売買に飛び込んだ結果、80万円の損失
ーーおしんさんが投資を始めたきっかけやこれまでの遍歴をお聞かせください。
2015年頃、会社員として働きながら、職場の持株会に参加したのが始まりです。それまで投資は遠い世界だと思っていましたが、持株会を通じて「自分の資産を増やす手段があるんだ」と気づきました。
最初は単純な好奇心と、将来の安定を少しでも手に入れたいという気持ちでした。ただ正直、株価の動きやチャートのことはほとんどわからず、ただ「やってみたい」というワクワク感だけで動いていました。
ーーその後、投資に本格的に取り組むようになったきっかけは?
本格的に始めたのは2020年のコロナショック以降からです。市場が一気に下落し、ニュースでも「経済危機」と騒がれる中、Xで「今が買いどきだ」という投稿を目にして、心がざわつきました。
「このチャンス逃したら後悔するかも!」って思い、2020年8月に証券口座を開設。JT(2914)などの高配当株を選び、市場が回復するにつれて利益が出たときは、「自分にもできる!」と自信が湧いたのを覚えています。
ーー順調なスタートだったんですね。
ですが、最初の成功体験で調子に乗ってしまったんです。Xで短期トレードで大きな利益を上げている人たちの投稿を見て、「自分もこうなりたい」と憧れました。
チャートの読み方やリスク管理の知識がほとんどないまま、雰囲気だけで短期売買に飛び込んだ結果、80万円の損失を出してしまったのです…。
画面に映る赤字の数字を見たときは、胃がキリキリして、夜も眠れないほど落ち込みました。「投資なんて自分には向いていないのかな」と本気で思いました。
教科書通りのトレードで成果上げられず、損失500万円に
ーーその挫折からどうやって立ち直ったのですか?
「このままではいけない」と決意し、Xの投資勉強会に参加しました。そこで、チャートの分析方法やテクニカル分析の基礎を学び、投資への理解を深め始めたのです。
しかし、教科書通りのトレードでは成果を上げられず、損失は500万円に膨らみ、投資資金は50万円まで減少しました。「もう辞めたい」という思いが何度も頭をよぎり、大きな挫折感に襲われました。
それでも諦めきれなかったんです。過去の取引を一つひとつ振り返り、失敗のパターンを分析。そこから、「ボリンジャーバンド」や板情報を活用した逆張りスタイルにいたったのです。失敗の痛みがあったからこそ、冷静に市場と向き合えるようになったんだと思います。