「暴落は3日待て」500万円損失を乗り越えた「逆張り投資家」が明かす高配当株投資術

本稿で紹介している個別銘柄:ヤマハ発動機(7272)、INPEX(1605)、武田薬品工業(4502)、アステラス製薬(4503)、グリーンアース(9212)
2025年、トランプ関税の再燃や地政学リスクにより、株価の乱高下に投資家たちが戸惑う中、逆張りの視点でチャンスを掴もうと挑む人々がいる。
今回、フィーチャーする「おしん」氏(@oshinchan93)もその1人だ。2020年のコロナショックを機に株式投資を始め、幾多の失敗を乗り越えて独自の投資スタイルを築いてきた。
そんな、おしん氏が銘柄選定や売買の際に着目しているポイントとは。連載全3回の第2回は、同氏の銘柄選定の極意について話を伺った。
(2025年6月13日取材)
目次
「安定高配当銘柄」で勝つ極意
ーーおしんさんが銘柄を選ぶ際の基準を教えてください。
高配当株を中心に、ファンダメンタルズとテクニカル分析を組み合わせて選びます。配当利回りは4%前後を目安に、配当性向は30%程度で持続可能性を確認します。
PBRは1倍未満を割安の基準とし、PER、ROE、ROAはセクターごとに比較して評価します。
また、最近注目されているDOE(※1)を指標として参考にしています。この指標を踏まえ、累進配当(※2)を採用しているヤマハ発動機(7272)やINPEX(1605)は、長期的に安定したリターンが期待できる魅力的な銘柄と考えています。
※1. 配当金を維持または増加させる方針
※2. 配当性向、株主資本配当率
一方で、武田薬品工業(4502)やアステラス製薬(4503)のような製薬セクターは、配当性向が100%を超えることが多く、減配リスクが気になり手を出せません。
ーー銘柄を選ぶ際の基準はどのように決めたのですか?
単に「配当が高い」というだけで選ぶのではなく、企業の財務の健全性や持続可能性を重視しています。数字の裏にある企業の本質的な強さを見極めることが大切だと考えています。
私は、20年以上の長期保有を前提に投資しているので、累進配当を採用している銘柄を特に重視しています。こうした銘柄は減配のリスクが低いため、安心して投資できる点で魅力的ですね。
そのため、信頼性の高い銘柄を「監視リスト」に加え、定期的に状況をチェックしていますよ。
ーー具体的にどのような銘柄を監視していますか?
現在、約50銘柄を保有し、さらに20銘柄を監視リストに登録しており、合計70銘柄を追っています。証券番号順にリストを整理し、セクターごとの動向や関連ニュースを確認しています。
例えば、2024年4月の市場下落時には、累進配当を採用しているヤマハ発動機のような銘柄を積極的に買い増しました。リストを更新するたびに、「次に注目すべきお宝銘柄は何か」と探すのが楽しみです。