参院選直前!fundnoteファンドマネージャー川合直也が語る、投資家が押さえるべきポイントと年後半の備え

株式市場にとって、政治は決して無視できないファクターだ。
どれほど企業業績が好調でも、政治が不安定になれば市場は動揺し、株価は乱高下する。一方で、政局が安定し、政策の方向性が読みやすければ、投資家は安心して資金を投じやすくなる。
だからこそ、2025年7月20日に迫る参議院議員選挙(参院選)は、投資家にとってこの夏の最大の注目イベントだろう。
今回は、国内中小型株・IPOを中心に高い実績を誇るfundnoteのファンドマネージャー、川合直也氏に、選挙のポイントと選挙後の相場戦略、そして情報が錯綜する中で個人投資家が生き残るためのポイントを聞いた。(2025年7月9日取材・ちょる子)
目次
与党の議席減は既定路線、焦点は「連立」と「政策の継続性」
川合氏がまず指摘するのは、今回の選挙での「与党の議席減」は既に市場が織り込み済みという点だ。
「都議選の結果を見ても、物価高や不祥事の影響で自民党単独での過半数維持は難しいでしょう。ただ、だからといってすぐに政権交代が起こる可能性は低いです。
その場合、公明党に加え日本維新の会や国民民主党と連立を組む形で与党を維持することになると見ています」
政局が多少揺れても、重要なのは政策の大枠が継続されるかどうかだ。
これまでの金融緩和策や成長投資の方向性に大きな修正が入らない限り、市場が過度に動揺するリスクは低いと川合氏は読む。
「維新や国民民主は、どちらも企業寄りの現実的な経済政策を掲げています。したがって、与党が単独過半数を失っても、連立での政策の大枠は大きく変わらない。特に国内の中小型株やIPO市場にとっても、大きな逆風にはなりにくいと見ています」
「保守系新勢力の台頭」は、インバウンド&不動産に要注意
一方で、川合氏が注視するのは保守系新興勢力の台頭だ。
「参政党のような自国優先を掲げる保守系政党が支持を拡大しています。世界的にも右派勢力が伸びており、日本も例外ではありません。もし彼らの政策が一部実現すれば、外国人観光客・外国人労働者の受け入れや、外国人による不動産購入に規制がかかる可能性があります」
今の日本経済にとって、インバウンド需要は欠かせない成長エンジンだ。
都市部の不動産市場や宿泊・飲食業など、多くの産業が外国人観光客に支えられている。この流れが止まれば、地方経済を含めた経済への影響は大きい。
「もし外国人観光客や外国人労働者の受け入れに規制がかかれば、人手不足がさらに深刻化し、特に中小企業は厳しい状況に追い込まれるでしょう。都市部のマンション市場や地方観光業の外国人需要の割合を、投資家としては改めて確認しておくべきです」
今回の参院選での影響は少ないが、今後の動向には注意が必要だと川合氏は語る。
米国雇用統計「数字の裏側」を見える「米国経済の減速リスク」
さらに川合氏が注目するのが米国経済の行方だ。特に雇用統計の読み解きには注意を呼びかける。