中1からの学力の伸びは小6最後の夏時点ですでに決まっている!中学受験生最後の夏以降の過ごし方のポイント…小6の夏以降、親が子供に絶対に言ってはいけないこと

中学受験生にとってはまだ早い話かもしれないが、半年後にはもう、中学受験の勝敗が決まり、また大学受験に向けて走りださなければいけない。教育投資ジャーナリストの戦記氏は「実は、中学受験自体の勝敗も大事ですが、すでに大学受験に向けた勝負は小6夏に始まっています」という。一体、何をしておけば良いのか。同氏に聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「中学受験 最強戦略」第3回。
目次
中学受験は泣いても笑っても残り6か月の戦い
教育投資ジャーナリストの戦記(@SenkiWork)と申します。
中学受験2026年組は夏休み期間に入り、忙しい日々を過ごしていると思います。良く言えば塾を中心とした日々、悪く言えば「大手塾によるフォアグラ式強制給餌学習」に親子でひたすら耐えている日々かもしれません。
でも、安心してください。夏休み後には塾による学校別冠講座が開始し、さらなる強制給餌学習が待ち構えていますが、今から6カ月後の2026年2月14日(土)のバレンタインデーまでには全て決着しています。
泣いても笑っても残り6カ月間の戦いとなりますので、今回は、中学受験という目の前の戦いから少し離れて、今後のお子さんの人生を大きく左右する「中1スタートダッシュ」という観点で、夏休み以降の過ごし方のポイントについて俯瞰的な分析をしてみたいと思います。
中1スタートダッシュを実現する4つの層
文字通り、中1の4月に開始する中学校生活を円滑に開始するためのスタートダッシュになります。高1娘が過去3年間で経験した鉄緑会指定校と鉄緑会中学レギュラーコースを観察してきた限り、中1スタートダッシュには、いくつかのパターンが存在します。
中学受験に全振りしてきたご家庭からすると耳が痛いかもしれませんが、2026年4月の中高一貫校の入学式で現実を知るよりは、2025年8月の小6の夏休み時点で認識しておいた方が、戦略的に行動できると考えます。
大事なポイントは、「先頭集団ほど加速する現実」を直視することだと思います。それでは、僕が観察してきた「中1スタートダッシュ」組のリアルに迫りたいと考えます。
小6時点でアカデミック英語の基礎が完成している層
具体的には英検準1級以上の層とお考え下さい。帰国子女の方が中心となりますが、最近は幼少期のインター経験者やおうち英語勢が飛躍的に増加しています。
きちんとした統計データは存在しませんが、サピックス偏差値50以上の学校に進学した場合、同学年に数名、最大で10名は存在すると考えると良いかと思います。
2026年2月の中学受験終了時点で英検準1級合格レベルの実力があれば、中学受験終了後のDay 1から、いきなり「アカデミックな多読多聴」を開始することが可能となります。具体的には、多読についてはTOEFL iBTテキストやScientific Americanといった大学教養課程で学ぶようなサイエンス分野にも対応可能です。
Scientific Americanは米国で1845年に創刊され、一般向け科学雑誌としては世界最古なのですが、広く読み継がれています。直近July/August 2025号のテーマは、「is Greenland collapsing? How the northern Hemisphere’s largest ice sheet could disappear」ですが、難易度的にはこのレベルの英文が読めれば、東大受験対応を含めたリーディング能力は備わっているレベルです。
多聴については、BBC Global News Podcastも聞き取れると思いますので、その後の英検1級2次試験(面接)で出題される社会課題に関連したShort Speechへの準備にもなります。
進学した学校にAll Englishで行われる「取り出し英語クラス」の設置がある場合、この層が合格していくことになります。そして、英語をゼロから開始する新中1生とは全く異なる速度で成長していきます。これが、冒頭で申し上げた「先頭集団ほど加速する」仕組みです。