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学力以上に“併願戦略”が中学受験の合否を分ける理由「全落ちは親の戦略ミスが9割」都内ベテラン塾経営者が語る首都圏の中学受験必勝戦略

(c) AdobeStock

「首都圏の中学受験は、もはや学力だけで合否が決まる時代ではない」と話すのは、これまで多数の生徒を難関校に送り出してきた、中学受験を考える塾長氏だ。豊富な選択肢の中から最適な組み合わせを見つけ出す、緻密な「併願戦略」こそが、子どもの努力を結果に結びつける最大の鍵であると同氏は言う。長年多くの受験生を志望校合格に導いてきたベテランの同氏が、その必勝戦略の全貌を明かした。みんかぶプレミアム特集「中学受験 最強戦略」第7回。

目次

学力以上に“併願戦略”が合否を分ける理由 ベテラン塾長直伝の「首都圏必勝戦略」

 こんにちは。中学受験を考える塾長です。

 夏が終わり、風の中に秋の気配が感じられるようになると、私たち塾の現場は、いよいよ本格的な受験シーズンへの緊張感に包まれます。特に小学6年生のお子さんを持つご家庭にとっては、ここから2月までの約5カ月間は、まさに嵐のような日々になることでしょう。

 これまで積み重ねてきた努力を、悔いなく発揮し、親子で納得のいく結果を手にするために、この時期、何よりも重要になるのが「受験戦略」です。中でも首都圏の中学受験は、学校の選択肢が豊富な分、その組み合わせ方は無限にあり、まさに「情報戦」の様相を呈します。学力と同じくらい、あるいはそれ以上に、緻密な「併願戦略」が合否を左右すると言っても過言ではありません。

 今回は、私が長年、多くのご家庭の受験をサポートしてきた経験から見えてきた、「首都圏の中学受験戦略」について、特に重要なポイントを余すところなくお話ししたいと思います。

なぜ賢い親は「2月受験」にこだわるのか? 第一志望合格への流れを作る“成功体験”の法則

 中学受験の天王山は、言わずと知れた2月1日からの東京・神奈川入試です。しかし、その勝敗の行方を大きく左右する戦いは、実は1月から始まっています。埼玉や千葉で行われる「1月受験」です。

 なぜ1月受験がそれほどまでに重要なのか。それは、本番の2月を迎える前に、お子さんに「合格」という成功体験を味わわせてあげることができるからです。

 考えてみてください。子どもたちは、長い間、偏差値や合格可能性判定といった数字と向き合い続けてきました。模試でA判定が出たとしても、それはあくまで「可能性」に過ぎません。しかし、入試で手にする「合格」は、正真正銘の「結果」です。

「自分の力で、合格を勝ち取ったんだ」

 この経験は、子どもたちの心に計り知れない自信を植え付けます。1月中に「合格」の二文字をその目で見た子は、残りの3週間、見違えるようにモチベーションが上がります。「やっと結果が出た!」という喜びと安堵が、本番へ向かうための何よりのエネルギー源になるのです。

合格する子が実践する、2月のための「最強メンタル」構築術

 逆に、ここで強気に出て、実力不相応な学校ばかりを受験し、不合格が続いてしまったらどうなるか。子どもは「自分は頑張っても受からないんだ」と自信を失い、メンタルがやられたまま2月の本番になだれ込むことになります。そうなると、本来持っているはずの実力さえ発揮できなくなってしまうケースを、私は何度も見てきました。

 1月受験は、2月のための単なる「練習」ではありません。お子さんのメンタルを最高の状態に引き上げ、本番で120%の力を出させるための、最も重要な戦略的布石なのです。

首都圏中学受験、激変する“1月受験校”の最新地図

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この記事の著者
中学受験を考える塾長

自身も中学受験経験者。大学生時代は個別指導塾で3年ほどアルバイト。その後、サラリーマン生活を5年ほど終えたあとに2006年に都内に小さな個別指導塾を開業。対象学年は小3~高3・浪人まで。17年間で200人ほどの東大生を面接し、100名ほどを雇い入れた。半分程度の生徒は自分で教えている。過去に東大に受かった子は12名ほどいる。自分は東大卒ではないが、東大生の特徴はそれなりに詳しい。

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