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“ABEMAライオンズ”でも愛せるか?西武ファンの作家・樋口毅宏が直言。黄金時代再来は「親会社次第」

 埼玉西武ライオンズ――かつては黄金時代を築き、ファンの夢と希望を背負った球団であった。しかし今、その輝きは薄れ、再び栄光の舞台に立つには何が必要なのか。長年のファンであり作家の樋口毅宏が、「答えは一つ」と迷いなく示す。

 資本力に依存するプロ野球の現実、球団を取り巻く環境の変化、そしてファンの切実な思い。熱を帯びた言葉で現状を見据え、未来への希望を語る。これは単なる批評ではない。愛するチームへの「覚悟の告白」である。

 みんかぶプレミアム連載「樋口毅宏 埼玉西武ライオンズへの愛と苦悩」

目次

プロ野球における「強いチーム」とは

 お待たせしました。

 埼玉西武ライオンズがどうしたら再び黄金時代を築き上げることができるか。覚悟を決めて逃げずに書きますね。

 親会社が変わるしかないです。

 シーズンが終わるたび、有望な選手が「来年はメジャーか他のチームにFA移籍するのでは」と怯えることにいいかげん終止符を打つ。それしかないです。

 現実を認めよう。強いチームとは親会社の資本力なのだ。

 なぜ讀賣巨人軍が長い間、球界の盟主を名乗ることができたのか。讀賣新聞社が大枚を叩いてきたから。新聞という古いビジネスモデルが斜陽を迎えているため今後は保証できないけど。

 埼玉西武ライオンズが黄金時代を迎えた80年代、親会社も活況を呈していた。でも現在の西武ホールディングスは不動産、プリンスホテル、もちろん西武鉄道も景気が良い話を聞かない。

 ソフトバンク、オリックス、楽天といった親会社が好調なうちは球団も強い(楽天はオーナーがすぐに結果を求めるため監督が毎年替わるという難点あり)。

 DeNAを見て下さいよ。三浦監督の采配はともかく、オーナーの南場ママは補強を惜しまない。

 親会社が骨肉の争いでゴタゴタしている間は、ロッテも優勝から遠ざかるだろう。

 もう10年やってる。その間に世間は金がないから「若者のガム離れ」とまで言われるようになった。

 ちなみに日ハムも年俸の上限が3億(ダルと小笠原レベルは例外)。だから中田を雇い続けることができなくなった。素行に問題があったことも理由だけど。今シーズンこそ新庄が育てた若手が目覚ましい活躍をしているが、ご存知のように有原と上沢のようにメジャーを経由してソフトバンクに取られ続けている。これではこの先、日ハムも太刀行かなくなることは自明の理だ。そりゃ新庄も怒りますよ。

 繰り返す。親会社が湯水のように金を費やしてくれないと毎年優勝を狙えるようなチームは作れない。むかしならさておき、讀賣巨人軍の功罪によりFAができてから、事実上潤沢な資金がある会社ほどいい選手をかき集めることができるようになった。

「サイバーエージェントがライオンズを買収」という希望

 いくら若手を育成しても数年でもっと条件のいいチームに移ることが当たり前の現在、単年の優勝はともかく、帝国と呼べるほどの強いチームの維持は不可能。いい選手を抱え込むには金。義理人情や絆といった空疎な言葉の裏付けは金。それはいつの時代もどこの世界も変わらない。

 今後西武HDの売り上げが飛び抜けて増えていくのは難しい。で、またぞろ身売りの話が出てくるはずだ。

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この記事の著者
樋口毅宏

1971年、東京都豊島区雑司が谷生まれ。出版社勤務の後、2009年『さらば雑司ヶ谷』で小説家デビュー。その他『二十五の瞳』『ルック・バック・イン・アンガー』『太陽がいっばい』、新書『タモリ論』、コラム集『さよなら小沢健二』、『おっぽいがほしい! 男の子育て日記』などの著作がある。現在雑誌「LEON」で小説「クワトロ・フォルマッジ -四人の殺し屋-」が連載中。

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