日本でも「トラスショック」級の危機が起こる可能性がある・・・資産10倍アップを実現した投資家が明かす「転換点のサイン」

2025年も後半に突入し、日銀の金融政策決定会合や米国のFOMCなど、重要なイベントが続く。ただ、情報が多すぎて、相場の転換点を見極めるのが難しいと感じている人も多いのではないか。
今回、フィーチャーするテンバガーを探す不動産屋氏(以下、テンバガー氏 X :@1FoeeK5dRS4flKn)の知人には、焦って判断を誤り、10億円の含み損を抱えた人もいたとか。
相場の転換点を見極めるポイントとは。彼に2025年後半の注目イベント、相場の転換点を見極めるコツ、そして不安定な相場を乗り切る投資戦略を伺った。連載全2回の第2回。
目次
長期金利の上昇リスクに注意が必要
ーー2025年も後半に差し掛かっていますが、今後注目すべきイベントについてお聞かせください。
まず、日経平均株価が4万円を突破し、さらに上昇が期待されていますが、「いつ調整が来るのか」と気になっている人も多いでしょう。
特に、2025年は日本の財政の健全性に対する懸念が再び高まる可能性があります。記憶に残るイギリスの「トラスショック」のようなできごとが、日本でも起こる可能性はゼロではありません。円安が進んだり、長期金利が上昇したりするリスクにも注意が必要です。
また、地政学的なリスクも見逃せません。過去の例では、ウクライナ戦争のような予期せぬことが起きると、株式市場は大きく揺れ動きます。
戦争が起きれば、資源価格の高騰やサプライチェーンの混乱でインフレが加速する可能性があります。なので2025年後半も、中東やアジアでの緊張が高まるリスクは否定できません。
一方で、「リスクがある」ということは、裏を返せば大きなチャンスでもあるのです。
インフレ予想が高まったとき、市場は一気に動く
ーーそうした相場の転換点を見極めるためには、どのようなポイントを意識すればよいですか?
誰もが「ここが底だ!」とか「ここが天井だ!」と正確に当てたいと思うもの。ただ、正直に言うと、完璧に予測するのは不可能です。
それでも、市場のムードや人々の心理の変化を観察することで、転換点の手がかりをつかむことはできます。
例えば、最近の日本ではインフレに対する意識が大きく変わってきています。アンケート調査でも、「来年は物価がもっと上がる」と考える人が増えているそうです。
インフレ予想が高まると、人々の行動が変わります。
「物価が上がるなら、今のうちに不動産を買っておこう」「金や資源に投資しよう」と考える人が増え、限られた資産に需要が集中すると、価格は一気に跳ね上がります。
ちなみに、ここ数年でゴールドの価格が10倍に跳ね上がったのも、こうした心理の変化が背景にあったと思います。