首都圏マンション「高くて買えない」は思考停止? 普通の会社員でも超優良物件を買える“大逆転戦略”を人気マンション評論家が告白

首都圏でマンション価格の高騰が叫ばれ始めて久しいが、「業界のしがらみゼロ」を掲げるマンション評論家のマンションマニア氏(@mansionmania)は、現在の市況をむしろ「買い手有利な時代」だと語る。いったいどういうことなのか。
20年以上にわたって首都圏マンションの市況をウォッチしてきた同氏に、今こそマンション購入を検討すべき理由や、資産価値が落ちにくい物件の見極め方、さらにはペアローンを組むなら守るべき絶対条件や具体的な狙い目エリアの実名まで、徹底解説していただいた。全4回の第1回。
※この記事は、みんかぶプレミアム連載「マンション・住まいで稼ぐ――シン富裕層への黄金ルート」の一部です。
目次
「業界のしがらみゼロ」の専門家が語る、後悔しないマンション購入術
皆さんこんにちは。マンション評論家のマンションマニアです。
私は普段、ブログやSNSでの情報発信、そしてマンション購入に迷われている方へのアドバイスなどを通じて、マンションの魅力を日々お伝えしています。私がこの世界に本格的に足を踏み入れたのは、2000年代前半のこと。それから20年以上の間、マンション市況の変遷をこの目で直接見てきました。
少し変わっているかもしれないのは、私が一度も不動産業界に身を置いたことがないという点です。元々は一般企業に勤めており、そこから独立して現在の活動を始めました。業界のしがらみがないからこそ、一人の「マンション好き」として、そして一人の「実需購入者」として、忖度のないフラットな視点で語れることが私の強みだと思っています。
マンション価格高騰の今、購入検討者が本当に知るべきこと
さて、昨今のマンション市況は「価格が高騰しすぎている」という声に溢れています。メディアではほとんど連日のようにマンション価格高騰のニュースが報じられ、一般的な会社員の方々にとっては「もはや自分には手が届かないのではないか」「今買うのは高値掴みになるのではないか」といった不安が渦巻いていることでしょう。
そこで今日は、約20年にわたり首都圏のマンション市況をウォッチし、自分でもマンション購入と売却を繰り返してきた私の視点から、首都圏のマンション購入の現状と今後について率直に余すところなくお伝えしたいと思います。
“賃貸と同じ支払いで家が買えた”時代はもう来ないのか
まず前提として、現在のマンション価格が高いというのは紛れもない事実です。データを見ても、私の肌感覚としても、この20数年間で最も高い水準にあることは間違いありません。しかし、多くの方が見落としがちなのは、「価格が高い」ことと「買いにくい」ことは、必ずしもイコールではないという点です。
私が初めてマンションを購入した約20年前は、いわゆる「就職氷河期」の真っ只中でした。当時はデフレ経済でしたから、単純に比較すればマンションの価格は今と比べて格段に安かったのも事実です。首都圏でも3,000万円も出せば、それなりに選択肢がありました。「賃貸と同じ支払いで家が買えます」という謳い文句が、非常にリアルに響いた時代です。
「マンションが安かった時代」の知られざる絶望
しかし、その裏側で社会は深刻な問題を抱えていました。就職は困難を極め、給料は一向に上がらない。雇用も不安定で、派遣社員や契約社員という働き方も当たり前でした。デフレですから、買ったものの価値は下がるのが当然。「家を買ったら、その瞬間から価値が目減りしていく」という恐怖と隣り合わせでした。
このような社会情勢の中で、数千万円という高額な住宅ローンを組むのは、とてつもない勇気が必要な決断だったのです。マンション価格は安かったかもしれませんが、社会経済的な環境を考えると、決して「買いやすい時代」ではありませんでした。
「高くて買えない」は思考停止? 現代ならではの“有利な戦い方”
翻って、現代はどうでしょうか。
確かにマンション価格は高騰しています。しかし、社会はデフレを脱却し、インフレの局面に入っています。給料は(企業や業種による差はあれど)上昇傾向にあり、雇用環境も20年前に比べれば格段に安定しています。
インフレ下では、モノの価値は上がりやすくなります。つまり、購入したマンションの価値も維持されやすい、あるいは上昇する可能性すらあるわけです。加えて、歴史的な低金利が続いており、住宅ローンは非常に組みやすい状況です。これまでは返済期間35年が一般的でしたが、金融機関によってはさらに長い期間を設定することも可能です。