ガーシー氏が明かす「参政党が躍進してNHK党が失速した本当の理由」とは 暴露系YouTuberとしての過去を後悔しているワケ

 かつてYouTubeでの暴露を武器に社会現象を巻き起こし、参議院選挙で約29万票を獲得して国会議員となったガーシー氏。しかし熱狂の渦中にいた本人は、「自分がすごいとはまったく思っていなかった」と冷静に振り返り、むしろ自身の巨大な影響力に「違和感」すら抱いていたという。

 社会現象の裏側で抱いていた本音から国会議員除名の真相、現在の心境、そして「57歳で完全に引退する」と語る今後の人生設計まで、そのすべてを赤裸々に語ってもらった。短期連載全4回の第4回。(取材日:8月14日)

目次

なぜ参政党は躍進し、NHK党は議席を失ったのか

――その参政党が今回の選挙で躍進し、一方でガーシーさんが所属していたNHK党は議席を失いました。この違いはどこにあるとお考えですか?

 NHK党の最大の敗因は「分裂」でしょう。途中で党が割れてしまった。あれが一番痛かった。もし一つの塊のままだったら、もっと強かったはずです。力が分散してしまいましたから。

 一方で、参政党がなぜ伸びたかと言えば、それはもう、神谷宗幣さんの圧倒的なカリスマ性だと思います。NHK党も元々はそうでした。でも、神谷さんはブレなかった。「俺がナンバーワンだ、俺がトップだ」という姿勢を徹底的に見せつけた。そうすると、下の人たちはついて行きます。たとえどんなやり方であろうと、選挙は結果がすべて。その結果を出した神谷さんがすごい、ということです。

「暴露系YouTuber」の姿は本当の自分じゃない

――当時と今とでは、お話しのされ方も含めて大きく印象が異なります。YouTubeで激しい言葉を発していた当時の姿と、現在の穏やかな姿、どちらが本当のご自身に近いのでしょうか?

 今です。間違いなく、今の僕が本当の自分です。うちの秘書もそうですけど、僕がYouTubeをやっていた頃の姿を見た人は、全員が「普段のガーシーさんとは全然違う」と言います。それくらい、あのときの自分はおかしかった。

 精神状態も普通じゃありませんでした。一度、本気で死のうと考えたこともあったくらい、お金に追い詰められていましたから。人生であそこまでお金に困ったことはなかった。ただ貯金がゼロになるだけならまだいいんです。また頑張ればいい。でも、僕の場合はゼロを通り越してマイナスで、しかも人に迷惑をかけてのマイナスだった。その重圧が、自分にものすごくのしかかってきているような状況でした。

喋るのは好きではない ガーシー氏が明かす意外な素顔

――現在の活動についてお伺いします。SNSでの発信のほか、オンラインサロンや飲食店経営なども手掛けていらっしゃるとのことですが、それはご自身の「やりたいこと」なのでしょうか?

 僕には持論があって、「好きなことを仕事にしてはいけない」んです。「得意なことを仕事にすべきだ」と常に言っています。

 僕は喋ることが得意です。好きではないですが、得意。たまたま持って生まれた才能がそこにあった。だから、その才能を使って仕事をすることが、一番収益を上げられると考えています。ライバーやインフルエンサーという仕事は、僕の得意なことに合っているんです。

 もし好きなことを仕事にしてしまうと、そのことが嫌いになってしまう可能性がある。僕は昔、車が好きで車のビジネスをやりましたが、結果的に車が嫌いになりました。サーフィンや服も大好きですが、これは趣味としてとっておきたい。商売には繋げません。だから、今の活動は「やりたいこと」というよりは、「得意なことを活かした仕事」という位置づけですね。

「口が上手いだけの人間」は政治家になるべきじゃない

――喋ることが得意なら、やはり政治家にも向いているのでは、と思ってしまいますが……。

 喋ることが得意なだけで国民を惹きつけ、票を集めることはできるかもしれません。でも、それは結局、口先だけの「口八丁」になってしまう。政治家にとって口のうまさも大事かもしれませんが、それ以上に「行動力」が伴わないと意味がない。僕は、自分の行動力がそこまでついていかないと思っています。口だけで人を集めて、実行が伴わない。それではダメなんです。

承認欲求は1ミリもない 有名人であることへの“嫌悪感”を告白

――承認欲求がまったくない、目立ちたくない、ともおっしゃっています。これも非常に意外です。

 本当に、承認欲求は1ミリもないんですよ。目立ちたくない。だから、今こうしてメディアに出ているのも、完全に「仕事」として割り切っているだけです。もし誰かが僕にお金をくれて、「もう働かなくていいよ」と言ってくれるなら、SNSも何もかも、すぐに全部やめます。一切、表には出ません。

 自分が世間の人たちに顔を知られている、という認識も薄いんです。感覚としてはドバイに行く前のままなので、普通に街を歩いてしまう。それで周りから「ガーシーだ」と指をさされたり、写真やサインを求められたりすると、「なんでこの人たちは俺のことを知ってるんだろう?」と一瞬、本気で思ってしまう。悪目立ちしてしまったことで、今もこうして注目される状況は、正直あまり好きではありません。

57歳で“完全引退”へ 表舞台から身を引くことを決めた理由

――最後に、今後の人生設計についてお聞かせください。

 僕は、57歳で仕事をリタイアすると決めています。勾留されてから社会に戻ってきたとき、自分の中で「3年間」と期限を決めたんです。その3年目の節目が、57歳の誕生日。だから、その日をもって、インフルエンサーとしての活動はすべてやめます。Instagram、X、TikTok、ツイキャス、全部です。これは公言しています。

 オンラインサロンだけは、メンバーとの約束があるので続けますが、それ以外の表立った活動からは完全に身を引くつもりです。

政界復帰を完全否定 これからの人生は「親や友人にかけた迷惑を償う」

 引退後は、のんびりしたいですね。もし海外に行くことが許されるなら海外に住みたいですし、日本なら沖縄とか四国とか、そういう片田舎で静かに暮らしたい。何よりも、もう目立ちたくないんです。

 もう一度、選挙に出ないのか、と今でも言われます。でも、僕の人生において、もう一度政治家になるという選択肢はありません。これからの人生は、親や友人にかけた迷惑を償いながら、政治とは違う場所で、自分に合った生き方をまっとうしていきたい。今は、そう考えています。

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