投資に欠かせないのは「規律・胆力・度胸」専業ベテラン投資家が明かす株価急落時に備えた投資術

2億円を超える資産を株式投資で築いた専業投資家の「まえだサラリーマン投資家の味方」(@okanehataraku)氏。
投資で成功するには規律・胆力・度胸が必要と言う。具体的にはどのように銘柄を選び、どのように売買しているのだろうか。
まえだ氏に銘柄の選び方に加え、具体的な売買方法を伺った。インタビュー全2回の最終回。
目次
「誰が見ても優良株」と思える銘柄を急落時に買う
ーー投資歴30年を超え、現在は専業投資家としてご活躍のまえださんですが、銘柄選定のルールはありますか?
ROE(=自己資本利益率)20~30%を少なくとも10年は維持できそうな銘柄に投資します。また、ROEだけではなく、今後の成長シナリオの納得性も重視しています。国内なら任天堂、キーエンス、東京エレクトロン、海外銘柄ならNvidiaなど、誰が見ても優良銘柄、という銘柄が結果的に投資対象となるため数は限られます。
ーー話をうかがうと、誰が見ても優良銘柄、という銘柄に狙いを付けて、その銘柄が暴落した際に一気に投資する、という理解でよいでしょうか。
その理解で結構です。銘柄の内容は充分に調べますが、投資対象は既に知られている優良銘柄です。そんな銘柄でも、10~20倍のパフォーマンスを出しています。
ーー他に銘柄選定の特徴があれば教えてください。
国内銘柄への投資ですが、結果的に海外の売上比率の高い銘柄、海外中心に事業を伸ばしている銘柄に投資しています。海外銘柄ではないものの、準海外銘柄への投資が多いですね。
特徴は資金を「3分割して購入する」
ーー優良銘柄の急落時に投資を実行するというお話でしたが株の買い方にこだわりや工夫などはありますか?
資金を3分割して購入するのが特徴です。買値にこだわり、底値を買いに行くスタイルなので、投資回数は分割しています。初回の投資後に5%下落したら2回目の投資を行い、更に5%下落したら3回目の投資を行います。
ーー3回目の投資後に5%下落したらどうされるのでしょうか?
損切りします。ここは必ず守ります。ただし調べ抜いた銘柄でもあり、損切りに至るのは20社に1社程度です。ほとんどの場合は、3回目までの投資で継続保有となります。
長期保有、大幅赤字継続など余程のことがなければ売らない
ーー長期投資とうかがっていますが、投資後はどのタイミングで売却されますか?
投資時のシナリオが変わらなければ基本的に継続保有で売りません。優良銘柄に投資しており、優良銘柄の前提が変わらなければ継続保有です。業績の回復が見込めないほどの赤字継続、事業内容の変更など、当初のシナリオから変化すれば売却します。
ーー個別銘柄は実際にどの程度のパフォーマンスとなっているのでしょうか?
最もパフォーマンスがよいのは東京エレクトロンで20倍です。次は任天堂の17倍、第3位はTDKの10倍です。いずれもいわゆる優良銘柄であり、それでも10倍以上のパフォーマンスを出しています。