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2026年「日経4万5000円台・ドル円160円台」は想定内、著名投資家が実践する激動相場を乗り切る投資術

(c) AdobeStock

本稿で紹介している個別銘柄:フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)

 10月に高市早苗氏を首班とする新政権が発足し、「サナエノミクス」への期待から日経平均株価は5万1000円台を突破、為替は1ドル150円台へと円安が進行中だ。

 市場は「アベノミクスの再来」と熱狂しているが、長期的に続くものだろうか。それとも、束の間のバブルなのか。

 今回は、『Financial Free College』(FFC)CEO・松本侑氏に、インフレと熱狂が渦巻く現在の市場で投資家が守るべき投資のマイルールと、2025年末から2026年年始にかけての市場見通しについて話を伺った。

 みんかぶプレミアム特集「株価6万円突破?高市トレード爆発の行方」第2回。

目次

債券はオワコン・・・安全資産のアップデートをするべし

ーー市場は「サナエノミクス」一色で、投資家心理も非常に強気です。こんな時代だからこそ、投資家が守るべきマイルールはありますか。

 まず、何よりお伝えしたいのは、「政治やメディアのノイズに惑わされない」ということです。今年の参院選の時もそうでしたが、短期的な政治イベントやニュースの見出しに振り回されて、冷静な判断を失うのが一番のリスクです。

 大切なのは、目の前の熱狂ではなく、マクロ経済や企業の本質的な価値を見極めることです。

ーーとはいえ、インフレも進み先行きが不安です。こういう時こそ、債券で安全に資産を守るべきだ、という声も根強くありますが…。

 それこそが、現代における最大の罠だと私は考えています。

ーーその理由とは。

 インフレ下において、「安全」の定義をアップデートする必要があります。現在の日本のインフレ率が約3%なのに対し、個人向け国債の利回りは1%台前半です。

 つまり、「安全」なはずの債券や預金に置いているだけで、あなたのお金の購買力(実質的な価値)は毎年2%近く、自動的に失われ続けているのです。名目上の元本が守られていても、実質価値が目減りする資産は、もはや安全とは呼べません。

「安くなった銘柄を拾う」はもう時代遅れかも

ーーたしかに、そうですね…。では、株式投資において「安くなった銘柄を拾う」逆張り投資はどうでしょう。

 その投資手法は、日本株であればまだ通用しますが、米国株では市場の性質が違うためおすすめできません。

 むしろ、最近は海外からの投資マネーが流入している影響で、日本株市場そのものが米国株市場に近い性質を帯びてきている、と捉えるべきかもしれません。

ーーそれは、どういうことでしょうか。

 米国株市場は、一度トレンドが発生すると長く続く傾向があります。値ごろ感だけで下落トレンドの銘柄に手をだすのは、まさに「落ちるナイフ」を掴むようなものです。

 私は、フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)プロクター・アンド・ギャンブル(PG)といった銘柄は、トレンドが転換するまで最低でも半年から一年は様子を見るべきだと見ています。安易な逆張りは、今の市場ではリスクが高すぎます。

ーーでは、どのようにすれば資産を守れるのでしょうか。

 まずは、インフレヘッジの王道である「ゴールド(金)」をポートフォリオのコアに据えることです。そのうえで、サテライトとしてAIなどの成長セクターを持つ「コア・サテライト戦略」を徹底することです。

 そして、もう一つ。発想を180度転換し、「インフレは、借金の実質的な価値を減らしてくれる」という側面を最大限に活用することです。

ーー借金、ですか。

 はい。インフレ下ではお金の価値が下がるため、例えば30年後に返す住宅ローンの3000万円は、今よりもずっと価値が低くなっています。

 歴史的な視点で見れば、現在の金利はまだ破格の水準です。将来の金利上昇リスクに備え、今のうちに返済額が変わらない「長期固定金利」で住宅ローンを組むことは、インフレ時代だからこそできる最強の資産防衛術の一つだと、私は考えています。

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この記事の著者
松本侑

投資スクール「Financial Free College(FFC)」を運営する株式会社バイアンドホールドCEO。千葉県出身。大学卒業後メガバンクに就職し、投資に興味を持つも、適応障害を経験。その後、難関大学向け大学受験塾講師として働きながら本格的に投資を開始するが、最初の3年間は損失が続く。試行錯誤を重ねた結果、長期投資を軸としたスタイルを確立。2020年には資産を4,000万円に増やし、サイドFIREを達成。現在の総資産は8,000万円に到達。

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