時代遅れな人が勘違いしている「住宅ローンの新常識」 50年ローンが35年ローンに“圧勝”すると識者が語る「合理的な理由」とは
東京都内のマンション価格高騰が止まらない。新築価格は億超えも珍しくなく、一般的なサラリーマンにとって23区内でのマイホーム購入は、もはや届かぬ夢となりつつある。だが「諦めるのはまだ早い」と力強く語るのが、マンションインフルエンサーの綾瀬・北綾瀬マンション氏(@ayasekitaayase)だ。同氏によれば、足立区の「綾瀬・北綾瀬」エリアこそが、普通の会社員にとって利便性と資産性を兼ね備えた“23区最後の楽園”であるという。
本稿では、多くの人が抱く「足立区への先入観」を覆す住環境の真実と、資産価値を維持するための「逆転のマンション購入術」を同氏が解き明かす。なぜ今、このエリアが狙い目なのか。話題の「50年ローン」をどう活用すべきか。狂乱の相場でも堅実な資産形成を目指すための、現実的な戦略の全貌をお届けする。全8回の第4回。
※この記事は、みんかぶプレミアム連載「マンション・住まいで稼ぐ――シン富裕層への黄金ルート」の一部です。
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50年ローンは“借り手有利”な最強の選択肢だ
「50年ローンなんて狂気の沙汰だ」という懐疑的な雰囲気が支配する2023年当時の状況下で、50年ローンを組むという決断を下すのは、正直なところ、相当な勇気が必要でした。
しかし、私には世間の喧騒とは少し異なる視点がありました。
実は、私は中小企業診断士の資格を保有しており、業務を通じてファイナンスの基礎知識を身につけていました。そして、まさにその当時、私が担当していた仕事は、日々の資金繰りに苦しむ中小企業の経営者を支援することだったのです。
なんとか会社を存続させるために、必死に現金をかき集めている経営者たちの姿を日々目の当たりにしていた私にとって、50年ローンという金融商品は、まったく違った輝きを放って見えました。「わずか0.1%から0.15%程度の金利を上乗せするだけで、返済期間が15年も延長され、それによって手元に残るキャッシュフローが劇的に改善される。これは、借り手にとって最高の武器ではないか!」と、直感的に感じたのです。
50年ローンが35年ローンに「圧勝」する意外な理由
その直感を裏付けるため、私は実際にシミュレーションを行いました。一般的な35年ローンを組んだ場合と、50年ローンを組んだ場合を比較し、後者によって毎月の返済額が減少した分の差額を、すべてインデックスファンドなどの金融商品で資産運用に回すというシナリオを想定したのです。
その結果は、私の直感を確信へと変えるものでした。将来、よほど悲観的な、年利3%程度という低い利回りでしか資産を運用できなかったという特殊なケースを除けば、トータルで見た時に50年ローンが35年ローンに劣後する可能性は、極めて低いという結論が、数字の上で明確に示されたのです。