AI・商社株は賞味期限切れ・・・資産10億超投資家が明かすAIバブルの裏で動き出している「本命セクター」

本稿で紹介している個別銘柄:三菱ケミカルグループ(4188)、住友化学(4005)、クミアイ化学工業(4996)、INPEX(1605)、石油資源開発(1662)、ENEOSホールディングス(5020)、コスモエネルギーホールディングス(5021)、SMK(6798)、東海カーボン(5301)、NTT(9432)、片倉コープアグリ(4031)、北興化学工業(4992)、東鉄工業(1835)
日経平均株価は史上最高値圏での推移を続けている。しかし、その足元は盤石とは言い難い。
米国のトランプ政権の動向に加え、急激に悪化した日中関係が市場に暗い影を落としているからだ。そうした地政学的リスクが高まる中、多くの投資家が「次なる一手」に迷いが生じている。
そこで今回は、今後の狙い目セクターと避けるべきセクター、投資家が注意すべきポイントなどについて、資産10億円を築いた投資家・株億太郎氏(@KabuokuTaro)にインタビューし、著名投資家は何を、どう見ているのか伺った。インタビュー連載全2回の最終回。
目次
AIブームの今こそ、割安な化学株に注目する
ーー世間ではAIや半導体関連こそが王道だという声が圧倒的です。やはりハイテク関連を中心に組むべきでしょうか。
今のAIブームは、かつてのITバブルと酷似しています。「AI関連」というだけで実態以上に買われている銘柄も多い。
それに、AIや半導体は米中対立の「主戦場」です。規制強化の煽りを真っ先に受けるリスクを考えると、ここ一本槍はあまりに危険です。
そこで私が今、あえて注目しているのが「化学セクター」です。
なぜかと言えば、中国による過剰生産・安値輸出への懸念から、市場で過度に敬遠され、底値に放置されているからです。
例えば、三菱ケミカルグループ(4188)や住友化学(4005)。これらは現在、中国勢との価格競争を避けるため、汎用品を切り離して高付加価値品へシフトする構造改革を断行中です。
そもそも日本の化学メーカーは特許の塊です。高度な機能性材料など、中国企業が模倣できない技術を持っています。中国リスクばかりが意識され、実体価値と株価が乖離している今こそ、これら重厚長大産業に妙味があります。
スタンダード市場なら、クミアイ化学工業(4996)なども面白い。海外でのジェネリック農薬の影響で足踏みしていますが、食料安全保障の観点からも需要が消えることはありません。