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牧野知弘「今後、マンションマーケットが崩れる可能性は高い」なぜなのか…夫婦ペアローンで見過ごされがちなリスク一覧

 夫婦共働きが主流になり、ペアローンでタワマンを購入する夫婦も増えてきた。ここ数年の不動産価格上昇で、購入したタワマンが値上がりし、売却してさらに高値のタワマンを購入する、という「タワマンすごろく」を実践している強者もいる。

 そんな現場に、不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏は「今後、マンションマーケットが崩れる可能性は高く、ペアローンでタワマンを買うのにはリスクが伴う」と警鐘を鳴らすーー。

 みんかぶプレミアム連載「牧野知弘 不動産を斬る」

目次

夫婦共働きが主流になり、住宅購入のためのペアローンに注目が集まるように

 高騰する住宅を何とか手に入れるために、最近その存在が注目されているのが夫婦ペアローンです。このローンは、夫婦共働きが当たり前になったことに着目して、金融機関が夫婦ともに住宅ローンを貸し出すことができるようにした商品です。

 パワーカップルという言葉を最近目にするようになりましたが、タワマンと同様にパワーカップルに明確な定義はありません。ニッセイ基礎研究所では夫婦それぞれの年収が700万円を超える世帯をパワーカップルと定義して、その数は全国で約40万世帯になると推計しています。年収700万円といえば大企業勤めの中堅社員くらいのイメージでしょうか。世帯年収でおおむね1500万円以上の世帯が該当します。

世帯年収1500万円の夫婦がペアローンを組むと、金融機関から借りられる金額の上限は

 ではこの世帯年収1500万円の夫婦が金融機関で夫婦ペアローンを申し込むと今、どのくらいのお金を貸してくれるかといえば、メガバンクなどの住宅ローン審査では、年間ローン返済額(元金返済及び金利の合計)上限を年収の25%以内くらいに設定しています。最近は金利が低いので金融機関の中には年収の30%を超えるラインであっても貸し出すところもありますが一応の目安とされているのが25%です。

 仮にローン金利が2%、期間35年、元利均等返済のローンを組もうとすれば最大で9400万円程度を借りることができる計算になります(あくまでも理論上です)。実際に借入を行う際に金融機関によってさまざまな特典を用意して、変動金利型であれば当初の金利が0%台後半くらいになるので、借入可能額はもっと膨らみます。

 このクラスの夫婦になれば多少の貯蓄もあるでしょうし、親からの援助が期待できるならば、1億円を超える物件にも優に手が届くことになります。

夫婦ペアローンを利用してタワマンを購入するメリット

 この夫婦ペアローンを使って都心のタワマンを手に入れたカップルがたくさんいます。お互いに都心勤務であれば通勤負担がかなり低減できます。子供がいても近所の保育所に子供を預け、どちらか早く退勤したほうが子供を迎えに行く。都心は塾などの施設も充実しているので、中学受験などをするにも好都合。うまく合格できれば都心の私立中学に通学するにも便利、とよいことづくめです。

 タワマンはみんなの憧れ。資産価値も高いとされるので、重たいローンを背負っても大丈夫。自分たちの年収も年齢が嵩むにつれて上がっていくはずだから、負担感も徐々に軽減される。いざというときには売却すれば問題はなかろう。タワマンに限った話ではありませんが、都心マンションを購入するパワーカップルの頭の中はだいたいこんな感じです。

インフレと金利上昇の中、ペアローンを組んで本当に安全なのか…日銀の利上げで月額いくら住宅ローンが増えるのか

 ただペアローンを組むにあたっては気を付けなければいけない点がいくつかあります。

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この記事の著者
牧野知弘

不動産事業プロデューサー。東京大学経済学部卒業。第一勧業銀行(現・みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループを経て三井不動産勤務。J-REIT(不動産投資信託)執行役員、運用会社代表取締役を経て、2015年にオラガ総研株式会社の代表取締役に就任。ホテルなどの不動産事業プロデュースを展開している。著書に『なぜマンションは高騰しているのか』(祥伝社新書)など多数。

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