AI時代の全ビジネスパーソン絶対必要な「タイトル思考」…「あなたは納品主義者になってませんか」

 ビジネスシーンでは生成AIの活用が当たり前になった。その一方で「AIに任せておけばいいや」という安易な「納品主義者」が増殖している。『タイトルから考えよう』(星海社新書)の著者であり編集者の鈴木俊之氏が、AI時代の全てのビジネスパーソンに必要となる「タイトル思考」について解説する――。

目次

中身ではなく入口で決まる

 はじめに、あなたに問いかけたいことがあります。

 昨日、LINEやメール、SNSで誰かに文章を送りましたか? おそらく、ほとんどの人が「はい」と答えるはずです。現代は、誰もが「書き手」としての資質を求められる時代。ですが、残念ながらその9割の人の言葉は、誰の目にも留まらずに情報の海へと消えていきます。

 私は15年以上、編集者・ライターとして「誰が書いたか分からないけれど、タイトルに惹かれて読んでしまった」という、属人性ゼロのコンテンツをバズらせる裏方として生きてきました。その経験から断言できる真理が一つあります。

 コンテンツの勝負は、中身ではなく「入口(タイトル)」で決まる。これが、AI時代に私たちが食いっぱぐれないための唯一の生命線です。

読者は「文章なんて読みたくない」という残酷な現実

 多くの書き手、特に「作家志向」の人ほど、「良い文章を書けば読んでもらえる」と勘違いしています。しかし、現実は残酷です。現代人は、朝から晩までスマホで「可処分時間の奪い合い」というデスマッチを繰り広げており、脳はできるだけ思考エネルギーを使いたくないと願っています。

 実際、ウェブ記事の平均読了率はわずか30%前後。LPにいたっては、97〜98%の人が最後まで読まずに離脱します。つまり、人間は本能的に「文章なんて読みたくない」のです。

 だからこそ、私はまず「最初の一行」から考えます。美味しい料理を作ってから名前を決めるのではなく、相手が思わず「衝動読み」してしまうフックを先に設計する。タイトルは「まとめ」ではなく、最も尖った瞬間を切り取った「ダイジェスト」でなければなりません。

「納品主義者」は全員死ぬ

 今、巷には「AIを使えば簡単に文章が書ける」とドヤ顔で語るビジネスパーソンが溢れています。私は彼らを「納品主義者」と呼んでいます。とりあえず形にして、タスクを終わらせること(納品)だけが目的になり、その先の「読み手の感情を動かすこと」をサボっている人たちです。

 AIは「平均的でもっともらしい答え」を出す天才です。しかし、AIに「AI時代の働き方」というタイトルをつけさせれば、間違いなく誰もクリックしないゴミのような案が出てくるでしょう。

 プロの仕事とは、AIが吐き出した無機質なアウトプットに、人間特有の「違和感」や「毒」を吹き込むことです。例えば、私が40歳を過ぎて独身であることを自虐と誇りを持って表現した「オーガニック独身」や、空港での自撮りに執着する中年男性を定義した「エアポート投稿おじさん」。こうした「世の中のモヤモヤに名前をつける力」こそが、AIには決して真似できない人間の武器なのです。

感情のジェットコースターを設計せよ

 私がプレジデントオンラインで累計1000 万PV以上を叩き出した「リモート研修中にクビになった新入社員」の記事では、緻密な感情設計を行いました。

 最初は「会社がひどい」と同情を誘い(共感)、読み進めるうちに「あれ、この新人ヤバくない?」と違和感を持たせ、最後には「そりゃクビだわ!」と驚きと怒りへ突き落とす。この「共感→裏切り→予告」のジェットコースターこそが、読者の可処分時間を強奪する最強の戦略です。

さあ、言葉を「デザイン」する旅へ

「交通事故の賠償額は被害者の『学歴』で天と地」というタイトルがなぜ刺さるのか? なぜ「退職代行モームリ」は名前だけで勝てたのか?

 本書『タイトルから考えよう』では、私が10年以上かけて培ってきた「人間理解」の正体と、明日から使える「言葉の筋トレ法」をすべてさらけ出しました。

 もしあなたが、自分の言葉に力が宿っていないと感じるなら。あるいは、AIに取って代わられる不安があるなら。まずは「無難な言葉」から全速力で逃げる覚悟を決めてください。あなたの言葉を、単なる「文字の納品」から、人の心を動かす「デザイン」へと変える旅を、共に始めましょう。

 あなたの挑戦をお待ちしています。

 さらに具体的な「売れるタイトルの型」を知りたくありませんか? 本書の第5章では「読者に利益を約束する10のタイトルパターン」について、詳しく解説ています。

目次

はじめに

入口で勝負が決まるという普遍の真理

タイトルは「まとめ」ではなく「ダイジェスト」

AI時代を生き抜くために

第1章 なぜあなたの仕事は誰の目にも留まらないのか

1.読者の「なぜ?」を喚起し、足を止めさせるから

2.コンテンツの「核」を明確にし、ブレを防ぐから

3.逆算思考で「バズる」構造を構築できるから

「衝動読み」が支配する現代

誰も文章なんて読みたくない

「退職代行モームリ」が示すタイトル戦略

タイトルだけ考えればいい時代

第2章 相手を摑んで離さない「人間心理」の設計図

プレジデントオンライン記事に学ぶ「読者の感情を動かす設計」

感情のジェットコースターで読者の時間を奪う

賛否両論は「バズ」の燃料

炎上とバズの違い~私が考える炎上防止策

事例から学ぶ「タブー」の境界線

相手の立場に立つ「感性」を磨く

第3章 AIが真似できない「人間理解」の鍛え方

「人間理解」とは「想像力」である

テーマ選定がコンテンツの命運を分ける

「学歴」という大きなテーマにずらす

読者を「当事者」に引き込む技術

質問にただ答えるな。読み手の感情を動かせ

第4章 納品主義者は全員死ぬ AI時代の「編集者」という仕事

なぜ今の時代、編集者が求められるのか?

良い編集者になるコツは「つまらない」と思うこと

「それは、部署によります」という回答がなぜつまらないのか

納品主義者は恋愛でもモテない

第5章 売れるタイトル・文章を科学する

メディアを構成する「3つのC」と食いっぱぐれない力

売れる文章の核心:読者に「読んだ後の利益」を提供すること

読ませるための実践技術:小見出しと冒頭の設計

読者の感情をデザインする「共感→裏切り→予告」のテクニック

定型化から逃げ、言葉に魂を込める

第6章 1秒で実践できる言葉の筋トレ

ルール1:禁句を決め、定型から全速力で逃げよ

ルール2:ありきたりな表現を「個別化」せよ

ルール3:質問には「固有名詞と数値」で答えよ

ルール4:偏見をロジックで覆す「比喩表現」の訓練

ルール5:「新語」をつくり、感情をこめよ

エアポートおじさんが解決したこと

日常がタイトル力の筋トレ場になる

すべての言葉に比喩を込める

第7章 人間という武器を磨く覚悟

納品主義者が気づかない「感性のヤバさ」

優れた書き手は「辛口レビューと代替案」を出せる

瞬間的な思考力を鍛える「大喜利」

「つまらない」を教材に、before/afterを作れ

AIに代替されない、人間という武器を磨く覚悟

あなたの言葉を「納品」から「デザイン」へ

さあ、闘いの舞台は日常にある

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