2位広島、3位神戸…おすすめ地方移住ランキング「リフォーム補助」「新幹線費貸与」至れり尽くせりな自治体

移住の第一歩は情報収集から。自治体の本気度をしっかりチェックしよう
「なるほど。自然豊かな環境で子育てするために地方へ移住したいんですか。それで仕事は? 収入は? 教育費はどうするのですか?」
かつて筆者は「都市部から地方へ移住したい」という相談者には、ずっと慎重さを求めてきました。しかし最近は「しっかり情報収集して実行しましょう」と後押しできるほど状況が変わってきています。その理由は、移住したいという人が、単なる夢や憧れではなく、現実的な考え方をするようになっているから。そして自治体の本気度が見えるようになってきたからです。
メディアでよく取り上げられている移住者は農業従事者、それにパン小売りやレストラン経営などの起業者たちですが、実際には、移住希望者の6割以上が就労、つまり会社に就職して働くことを前提に計画を進めています(出典:ふるさと回帰支援センター・2021年来場者アンケート)。豊かな自然環境の中でも堅実に暮らしたいと考えている人が多数派だといえそうです。
移住希望者の6割を占める「企業で働きたい人」は、農漁村より地方都市、特に県庁所在地がまず候補になるでしょう。さらに移住の3要素として①職、②住まい、③生活インフラの状況が充実していないといけないでしょう。生活インフラには買い物や医療へのアクセス、子どもの教育環境などが含まれます。
それでは、これらの内容を検討し、20~40代の働き盛りの移住希望者にとってどこが夢をかなえてくれる自治体なのかが分かる、おすすめランキングを見てみましょう。
2位 広島市「ハイキャリア人材も移住OK。県が経済団体と連携してマッチング」
移住者を積極的に受け入れている自治体でも、仕事紹介は、ほとんどハローワーク頼み。就労支援も若者だけだったり、就農支援に限られていたりします。
そんな中、求人広告には載らない人材ニーズを掘り起こして、地元企業を発展に導くようなキャリア人材のマッチングに力を入れているのが広島県です。
今の職場で相当な評価をされている人、高いスキルや豊富な経験を持つ人は、地方移住に興味はあっても「希望する仕事はない」と最初からあきらめていたと思います。また転職・移住という決断をするには、地域の支えだけでなく、受け入れる企業の経営状態や仕事の質も重要です。この点で、広島県は経済団体と連携をし、「とっておきの仕事」を情報提供してくれるので、高い確率でマッチングできそうです。
広島市は、中四国で最も発展し、戦前からずっと栄えている工業都市。地域外から意欲の高い人や、企業の経営を支えていくような人材を受け入れることで、企業の経営目標はもちろん地域経済の成長も達成できます。高いスキルや豊富な経験を持つ人材の「移住」は、地域と移住者の双方にとって、理想的な移住なのです。
3位 神戸市「『ずらし移住』で子育て家族にうれしい職住接近を実現」
女性から「育休後に職場復帰したものの短時間勤務から抜け出せない」という声を聞くことがよくあります。オフィスへの通勤時間が1時間以上かかると、フルタイム勤務に踏み出せず、男性も家事育児に参加しにくいという事情があるようです。
ただし地方の豊かな自然環境が子育てによいといっても、有能な女性が能力を発揮できる職場が少ないような地域では、会社での働き甲斐を求める女性にとっては論外です。
しかし神戸市なら、大阪という大都市へ通勤時間は30分程度。自分に合った仕事が見つかる可能性、生活インフラ、教育環境ともかなり整った移住先ではないでしょうか。
長時間通勤や高い住居費など、東京圏の人が抱える不便さを考えてみると、いわゆる移住=田舎暮らしではなく、都市から都市への移住(ずらし移住)なら「検討してみようか」という潜在的な移住希望者は、実は多いのではないかと筆者は推測しています。
そして気になる1位は……。東京への通勤と、テレワークが両方ある人には「最適すぎる」あの自治体です。