竹中平蔵「岸田・総合経済対策の真水は20兆円」「日本企業、これからは自力で頑張れ」

結果オーライの総合経済対策、真水は20兆円弱
各メディアの世論調査で、岸田政権の内閣支持率が過去最低を更新しています。そんな中で、一部からは岸田内閣の倒閣を危惧する声があがっているようですが、それは当分ないでしょう。
それには大きく二つの理由があります。一つは最大派閥の安倍派が混乱しており、今の自民党の内で岸田総理を引きずりおろすようなパワーを持った議員集団がいないことです。たしかに、「今の自民党に問題があり、統一地方選挙にむけて改善する必要がある」という認識は党内にあります。ただ、もう一つの理由として、今、野党がとにかく弱いことが挙げられます。現状では何があっても選挙で与党は勝てるでしょう。だからこそ、色々噂が出ていても、当分は岸田政権のままで日本は進むことになります。
そんな「岸田下ろし」の動きがないからこそ、岸田総理は先日、肝いりの経済総合対策を発表したのではないでしょうか。
さて、その経済総合対策についてです。まず一部の新聞では「経済対策は量ではない、質だ」などと書かれていましたが、それは間違っています。日本は需要不足ですから、需要不足を補う量が必要なのです。ただ、その量の議論を経済財政諮問会議でする必要がありますが、ほとんど何もしていません。
これは本来であれば良くない傾向ですが、今回に限っては「結果オーライ」の可能性が出てきました。与党内からあがってきた対策を積み上げていったら、合わせて29兆円の予算になりましたが、これの “真水”(実際に経済生産を押し上げる、政府が直接的に支出する部分)は20兆円弱と言われています。