仮想通貨の両建てとは?方法や取引所を説明

仮想通貨の両建てとは

仮想通貨の取引でも、両建て(りょうだて)を行うことができます。

そもそも両建てって何?どうすれば良いの?と疑問に持つ人もいると思います。

今回は、両建ての仕組みや方法、取引できる取引所に関して紹介します。

目次

両建て取引とは

両建て取引とは

「両建て」とはなんなのだろうか。取引手法のひとつである両建てについて知りたい人は多いのではないでしょうか。

両建てとは、同じ銘柄で買いと売りを保有することをいいます。

たとえば、ビットコインを買っていたとして、その買いを決済せずに売りのポジションを保有することです。

両建てはどのように行うのか

仮想通貨の取引を行う際には、

  • 販売所
  • 取引所

のどちらかを利用することになります。

 「販売所」は、仮想通貨取引所を運営している会社と仮想通貨を売買するところです。

 「取引所」は、仮想通貨を所有しているユーザー同士で仮想通貨を売買するところです。

両建て取引の場合は、取引所を利用します。仮想通貨の両建て取引とは、証拠金取引に関する取引方法です。

注文には「買い注文」と「売り注文」があります。

  • 買い注文:注文を行った時点の価格よりも上がれば利益、下がれば損失
  • 売り注文:注文を行った時点の価格よりも上がれば損失、下がれば利益

「両建て取引」は「買いポジション」と「売りポジション」を同時に保有する取引です。

<用語>

FX取引でポジションとは外貨の持ち高のことを表します。 仮想通貨を買っている状態を「買いポジションを持つ」、売っている状態を「売りポジションを持つ」と表現します。

たとえば、両建て取引を実施した時点から価格が下がった場合は「買い注文」は損失が出ますが、「売り注文」は利益が出ます。

同じ差額分だけ損失と利益が出るため、損益はプラスマイナスゼロに近い状態で取引を進めることが可能となるわけです。

両建ては証拠金取引のみで実施できる取引方法

両建ては証拠金取引のみで実施できる取引方法

両建て取引は、証拠金取引でしかできません。現物取引では行うことができないので注意が必要です。

仮想通貨は現物取引をメインで行なっている投資家も多いので、両建て取引をしたい場合は証拠金取引を行えるようにしておかなければなりません。

また、両建て取引は現物ポジションのヘッジ(投資におけるリスク対策)にもなり、「売りヘッジ」というヘッジ方法が両建て取引で可能です。

ヘッジ取引の例

例えば、ビットコインを現物で10万円分購入したとします。これを長期的に保有するとした場合、当然値下がりによる損失が心配ですよね。

そこでレバレッジ取引で、購入したビットコインの数量(10万円分)に匹敵する売り注文(ポジション)をしておきましょう。

ここで仮に、ビットコインの価格が5万円下落したとします。そうすると、現物取引で購入していた10万円は5万円の損失を出してしまいます。

一方で、10万円分に匹敵する売り注文はビットコインの価格が5万円分下落しているので、差額として5万円分の利益が出ています。

つまり、この時点でプラスマイナスゼロのリスクヘッジができたことになります。

  • 現物取引:10万円の購入→5万円に下落→5万円の損失
  • レバレッジ取引:10万円の売り取引→5万円に下落→5万円の利益

現物とレバレッジ取引で両建てをすることで以上のようなヘッジができることも覚えておきましょう。

両建てができる取引所

両建てができる国内の主要取引所は、以下の通りです。

  • GMOコイン
  • DMM Bitcoin
  • SBI VCトレード

GMOコインは、FX取引のビットレ君で設定を行うことで両建て取引が可能になります。ビットレ君のホーム画面の「注文設定」をタップ。

交換する仮想通貨のペアを選択して両建を選択し、取引の画面に「両建 ON」と表示されていれば、両建ての取引が可能となります。

ビットレ君の例

iOSの場合も「ビットレ君アプリ」から下の画像の手順を踏んだ後、【戻る】→【設定】の順にタップすれば両建てがONになります。

スピード注文の例

DMM Bitcoinも両建て取引が可能です。

アプリ内で両建て取引などを設定する機能はないため、自分で売り注文と買い注文をそれぞれ行う必要があります。

両建てのメリット

両建てのメリットとして挙げられるのは、予期せぬ下落にも対応できるという点です。

一般的な両建てを行うケースとして、買いポジションのヘッジだと書きました。上昇トレンドの途中で、まだまだ値上がりが見込めるとしても、一時的に下がるだろうという局面があります。それでも、買いポジションは保有し続けたい、でも、利益の減少をカバーしたい、そのような場合に両建てを行い、値下がりリスクを軽減するのです。

両建てのデメリット

一方で、両建てのデメリットは、以下の2点があります。

  • レバレッジ取引手数料やスプレッドなどの取引コストがかかる
  • 証拠金が2倍必要となる場合がある

取引コストがかかる

両建て取引は、仮想通貨の場合レバレッジ取引で行うため、レバレッジ手数料がかかります。レバレッジ手数料とは、レバレッジ取引を行う際に別途で発生する手数料(0.04%/日程度)のことです。そして両建て取引は2つの注文を行うため、手数料が本来のレバレッジ取引の2倍かかることになります。

また、販売所方式で両建て取引を行う際にはスプレッドの取引コストがかかります。スプレッドとは、売り値と買い値の差額のことです。一般的に売値と買値は一緒ではありません。

例えば、買値が「1BTC=10万円」の時、売値が「1BTC=9万円」で、1BTC買う場合、1万円の含み損が発生します。この時点で1万円損をしていることになりますよね。

この1万円の差額がスプレッドと呼ばれ、売値が「1BTC=10万円」になることでようやく収支がゼロになります。

差額で生まれたスプレッドは手数料となり、取引所の収入源のひとつとなります。スプレッドは「取引所」と「販売所」によって、違いがあります。

販売所はスプレッドが一定ではなく、相場によって大きく変動します。

利用する取引所の種類によって、スプレッドの幅は変わり、常に変動するのでスプレッドの小さな取引所で取引することをオススメします。

証拠金が2倍必要となる場合がある

レバレッジ取引を行うためには、取引口座に証拠金が必要です。

両建て取引はレバレッジ取引で売り注文と買い注文の2つを行うことになるので、証拠金も2倍必要です。

両建て取引はこうしたコストがかかる取引方法になっています。

項目 GMOコイン DMM Bitcoin SBI VCトレード
売買手数料 無料 無料 メイカー:-0.01%
テイカー:0.05%
レバレッジ手数料 0.04%/日 0.04%/日 0.002%/日
証拠金の方式 積み上げ方式 積み上げ方式 積み上げ方式

※ 上記の他にスプレッド分の取引コストもかかります。

まとめ

両建てに関してと仮想通貨の両建てができる取引所と方法を説明しました。

両建ては取引コストがかかる手法ですが、保有しているポジションを決済することなく、下落リスクなどをヘッジすることができます。また、仮想通貨ならでは取引所間の送金によるアービトラージやうねり取りなどの両建てを行うことが前提の手法もあります。

参考:ビットコインのアービトラージに挑戦!

そのため、知っておいて損はない手法といえます。

両建て取引を行うことで取引の幅を広げることもできるのです。

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