第2回 投資未経験者にオススメしたいNISA活用術
国は個人の資産形成を支援するため、元本保証のない投資信託や株式投資にも税制優遇の制度を設けています。その一つが今回取り上げる少額投資非課税制度(NISA)です。
「資産形成は何から始めたらいいの?」「投資なんて難しそう――」と尻込みしている人も、少しでも興味があったら、NISAを使って一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
目次
約180本の厳選された投資信託で運用する「つみたてNISA」
NISAには、株式の個別銘柄に投資できる「一般NISA」と投資信託を定期的に購入する「つみたてNISA」の2種類があり、どちらか一方を選んで口座を開設します(年単位でどちらにするか選ぶことができます)。
つみたてNISAは、年間40万円の枠内で投資信託を積み立てていき、最大20年間、運用益が非課税になるというもの。期間限定の制度で2042年まで利用できます。
最低投資額は証券会社によって異なり、100円という証券会社もあります。今は硬貨を銀行に預ける際に手数料がかかるようになったので、500円玉貯金の代わりに始めるのもよいでしょう。
一口に投資信託と言っても、日本の法律に基づいて設定運用されている国内投資信託のうち公募株式投資信託はおよそ5800本もありますから、専門知識の少ない初心者は、どれを選んだらよいか難しいと感じるかもしれません。
この点、つみたてNISAなら投資対象となる投資信託は「販売手数料が無料」「信託報酬(運用管理の費用)が低い」といった基準をクリアし「長期・積み立て・分散投資」に適していると認められた180本前後の商品に絞られていますから、初心者にとって投資しやすいといえるでしょう。
参照:投資信託の選び方は「投資信託銘柄の選び方とチェック項目を解説!」
参照:証券会社の選び方は「NISA(ニーサ)口座のおすすめランキング」
年間120万円の投資枠で金融・経済を学べる「一般NISA」
もし金融や経済に詳しくない人に「つみたてNISAと一般NISA 、どっちがいい?」と聞かれたら、私なら一般NISAをお勧めします。
一般NISAは、毎年120万円の枠内で購入した株式や投資信託等の配当金・譲渡益が5年間、非課税になる制度※。つみたてNISAと異なり、株式の個別銘柄やたくさんの投資信託への投資が可能です。
※期間限定の制度のため新規投資は2023年まで(あと2年)しかできませんが、2024年以降は「新NISA」という制度で同じように投資・運用できます。一般NISAでは手元に数万円あれば、学びながら投資の世界が楽しめます。
また個別銘柄の購入単位は100株単位ですが、最低限の100株だけ購入した場合でも株主として配当が受け取れますし、株主総会では議決権が行使できます。