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FP(ファイナンシャルプランナー)がニュースを斬る

第8回 オミクロン株[その1] 年初に感染爆発か、いますぐ対策を準備せよ!

オミクロン株対策
※写真はイメージです。

2021年11月、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の登場がニュースになりました。

政府は11月30日に外国人の新規入国禁止を発表しましたが、オミクロン株の感染者が日本でも出ているため油断ができない状況となっています。

そこで今回は、われわれがオミクロン株に感染し療養した場合を想定し、療養治療休業の補償の3点について、どのような状況になっているかお知らせいたします。

目次

デルタ株の流行期に感染し、ホテル療養したAさんの話

まずはデルタ株の流行期に感染し、ホテル療養した人の実体験をご紹介します。

Aさんは東京都在住、36歳の既婚者で会社勤めをしている男性です。普段は風邪などひかず健康でしたが、2021年6月に新型コロナウイルスに感染しホテルで療養することになりました

※Aさんのプライバシーに配慮し、一部内容を変えています。

1日目:発症日

ある日、朝起きたら38度の熱があったので、Aさんは自分が住んでいる市区町村の相談窓口に電話しました。電話に出た職員はAさんに「病院に直接電話するように」と指示。Aさんは指示通り、病院(かかりつけ医)に電話をしました。

電話で診察予約を取ると、病院のコールセンターのオペレーターはAさんに「新型コロナウイルスに感染している可能性があるため、病院に到着したら中に入らず病院の前で一旦電話をしてください。後はスタッフがご案内します」と説明しました。

病院では診察を受け、解熱剤をもらいPCR検査をしました 

※医療機関でPCR検査を受ける場合、保険適用のPCR検査と自費のPCR検査があります。保険適用のPCR検査(の1つ)の費用は、検査費用1万8000円、検査判断料1500円、自己負担額5850円(3割負担の場合)ですが、発熱などの症状があれば自己負担額に相当する額が免除となるため、実質無料の場合がほとんどだと思われます。ただし検査時の支払いがすべて無料になるわけではなく、初診料や再診療といった費用は通常どおり3割負担になります。自費のPCR検査の費用は、価格帯が2000円から3万円台まで幅があり、さらに保険適用ではないため全額を支払う必要があります。

2日目:陽性反応

翌日になって保健所から電話がかかってきました。この電話でAさんは「PCR検査で陽性反応が出た」ことを伝えられ、さらに「発症直前の48時間に何をしていたのか」と聞かれました。Aさんが「自宅から真っすぐ会社に出勤し、会社から真っすぐ自宅に帰った」と答えると、家族と会社の同僚が濃厚接触者になりました。

その日のうちに保健所から2度目の連絡があり「病院、ホテル、自宅のいずれかで療養してもらう」と言われました。Aさんはこの間ずっと38度台の発熱が続いており、味覚や嗅覚にも多少の変化がありましたが、重症患者ではないことから(入院しないで)ホテルで療養することになりました。

3日目~9日目:ホテル療養

3日目の午前中、Aさんはホテル療養のための荷造りをしました。午後になると自宅に東京都の職員が来て、都が用意した車でホテルに移動しました。

ホテルに到着し、割り当てられた部屋に入ると、スマートフォン、体温計、血中酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターの3つが置かれていました。療養期間中は朝夕に測った数値(体温、血中酸素飽和度)を、スマホのアプリで報告しなければいけません。

食事は1日3回、弁当と飲み物などが提供されました(ロビーに準備されており、決められた時間に自分で取りに行きました)。

食欲がなかったりアレルギーがあったりする人には特別食が提供されるシステムがあり、Aさんは食欲がなかったとき(2日間)、弁当(一般食)からおかゆ(特別食)に変更してもらいました。

また何か必要なものが欲しい場合は、ホテルのフロントに連絡して買ってきてもらうか、知り合いに頼んで買ってきてもらうことができます。

ホテル療養では治療は行われず、経過観察のみ。時々解熱剤が用意されますが、新型コロナウイルスの治療薬は提供されません。ときどきホテル内の1部屋で医師によるリモート診察が行われ、そこで病状が悪化していた場合には、必要に応じて病院へ搬送され治療を受けることになります。

10日目:療養終了

発症から1週間が経過した頃、Aさんの症状は落ち着き始めました。解熱剤を服用しないで72時間以上継続して解熱し、咳などの症状が軽くなっていると療養終了です。Aさんが療養終了した際は、特にPCR検査などは受けず、車の送迎もなく、公共交通機関を使って帰宅しました。

Aさんは医師に「療養が終わった後、後遺症が残ることがある」と言われていました。確かに息切れは継続していましたが、その後は仕事なども元気にやっているそうです。

かかった費用

Aさんが感染してかかった費用は、約2万8000円でした。内訳は以下のとおりです。

1.入院・治療費

新型コロナウイルスに感染し療養している期間の入院・治療費は、公費負担となるため費用がかかりません

2.食費

ホテル療養中は費用がかかりません。しかし濃厚接触者として自宅待機していた妻は、10日間で2万円(1日あたり2000円)の食費がかかりました。

3.その他生活費

濃厚接触者の妻が、自宅待機中にネットスーパーで日用品などを購入しており、10日間で約8000円を使いました。

入院・治療費=0円合計2万8000円
1日あたりの食費2000円×10日=2万円
日用品などの購入=約8000円

もらった給付

Aさんの場合、PCR検査やホテル療養の費用が無償(公費負担)でしたが、そのほかにも健康保険の傷病手当金の給付を受けることができました。

傷病手当金の給付額は、以下の計算式で求められます。

A 直近12カ月間の標準報酬月額 ÷ 30日 × 2 / 3 = 給付日額

B 給付日額 ×休んだ日数3日= 傷病手当金の給付額

※ 傷病手当金は休業4日目から支給が開始されるため、最初の3日を引いた日数で計算します。

Aさんの場合、傷病手当金の給付額は約14万9600円でした。

感染したときの入院・治療費

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この記事の著者
古田 靖昭

保険ライター。保険やファイナンシャルプランに関わる内容を中心に執筆を行っている。2級ファイナンシャルプランニング技能士を取得し、生命保険の営業を経て現在に至る。保険の使い方や制度に関する知識は日々アップデートしている。

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