積立対象の投資信託が下落したらどうする?積立をやめるかどうかの考え方とは【第14回】

みんかぶ編集室
公開)
積立をやめるかどうか

投資信託の積立を始めたN商事社員の福山 春雅(通称ハルちゃん)ですが、積立対象が下がり続けて落ち込んでいるようです。そんなハルちゃんにN商事特別顧問で元証券マンの瀬山(通称セーさん)は積立投資における下落時の考え方について説明しているようです。

目次

資産形成では資産を活用するタイミングの相場だけ気にする

ハルちゃん

はあぁぁ~・・・。

ハルちゃん
瀬山

深いため息をついてどうしたんですか?

瀬山
ハルちゃん

あ、セーさん!いや~積立を始めた銘柄の価格がずっと下がり続けてまして・・・。

ハルちゃん
瀬山

それで落ち込んでいるんですね。

瀬山
ハルちゃん

最初の1ヶ月は安く買えるから良いと思えたのですが、だんだんと心配になってきてしまいまして。買い始める時期を間違えましたかね・・・。

ハルちゃん
瀬山

相場を予想して売り買いするのも一つの運用方法ですが、ハルちゃんがやっている長期の資産形成では、今の相場は気にしなくて良いと思いますよ。

瀬山
ハルちゃん

価格が下がっても気にしなくて良いということですか?

ハルちゃん
瀬山

そうですね。毎日売り買いをするデイトレーダーであれば、当日の相場を見通す必要があると思います。でも資産形成を目的とする場合、見通すべきはハルちゃんのリタイアメントなど、資産を活用し始めるタイミングになると思います。

瀬山

長期投資では短期の下げは気にしない

ハルちゃん

たしかに今売却しないといけないわけじゃないですもんね・・・。

ハルちゃん
瀬山

短期の見通しなんてあっという間に変わりますから、気にしなくても良いですよ。例えばアメリカ株であれば大統領の発言や、FRBの金融政策によって短期的には価格は大きくぶれますから。

瀬山
ハルちゃん

そうなんですね。たしかにFRB議長の発言で株価が動いたりとかしていたような。

ハルちゃん
瀬山

資産形成を目的とした場合には、そういった変動は大勢には影響は及ぼさないはずです。20年、30年で見れば経済はさらに成長している、という前提で長期投資を始めているわけですから。

瀬山
ハルちゃん

今焦ってバタバタする必要は無いんですね。

ハルちゃん
瀬山

そうですね。見通しは変わっていないわけですから、もっと安く買えると喜びましょう!

瀬山
ハルちゃん

うーん、でもなかなか喜ぶまでの気持ちにはなれないです・・・。

ハルちゃん
瀬山

その気持ちも分かりますけどね。

瀬山

長期投資で一番駄目なことは途中で止めてしまうこと

瀬山

まぁでも価格変動に多少ドキドキするのも、ほったらかしにして何も気にしないよりは良いと思います。ただ、一番駄目なのは積立をやめてしまうことです。

瀬山
ハルちゃん

一度積立をやめて、下がり切ったところからまた始めようかなぁ・・・なんて少し思っていたのですが、だめなんですね。

ハルちゃん
瀬山

下がり切ったところでまた始めようと思っても、なかなか始めることができなくなると思います。下がり始めるともっと下がるかもと思ってしまいますし、価格が戻ってきたら、また下がるまで待ってしまいますし。

瀬山
ハルちゃん

それはあるかもですね・・・。

ハルちゃん
瀬山

それと、投資する環境に居続けることも大事だと思います。積立投資については、運用成果はあくまで+αとなり、現在の収入を将来のためのお金に置き換えていくことが大事なんです。

瀬山
ハルちゃん

現在の収入を将来のためのお金に置き換えていくことの方が大事なんですね。

ハルちゃん
瀬山

そうですね。積立投資をすることは20年後に向けた種を蒔き続けているわけです。今天候が悪いからといって蒔くのをやめてしまったら、収穫はできませんからね。

瀬山

20年後の成長が崩れるようなことが起きれば、銘柄を乗り換えるべき

瀬山

ただ、もし20年後の成長が崩れるような事態が起きたら、銘柄を乗り換えるべきですね。ドルコスト平均法で積立をしていっても、市場が成長していかないと意味は無いですからね。

瀬山
ハルちゃん

投資先の市場が下降していくと、ドルコスト平均法でもやっぱり駄目なんですね。

ハルちゃん
瀬山

そうですね。下がり続けることがある程度予想できるのであれば、そこに投資をする意味は無いですね。資産形成の基本は、右肩上がりになると思う資産に投資することです。

瀬山
ハルちゃん

上がったり下がったりだったらどうなんでしょうか?

ハルちゃん
瀬山

上がったり下がったりずっとしていることをボックス相場と言います。ボックス相場の場合ですと、どこで売却するかのタイミング次第でリターンが大きく変わってしまいますので、やはりなるべく避けるべきですね。

瀬山
ハルちゃん

右肩上がりならタイミングをそこまで気にしなくても良くなるんですね。

ハルちゃん
瀬山

売りたくなった時に調整期に入っていて、価格がある程度下がっていたとしても、右肩上がりの市場に長期間投資していればプラスになっているでしょうからね。

瀬山
ハルちゃん

なるほど。

ハルちゃん
瀬山

例えばこれは新光小型株オープン(波物語)という銘柄のチャートです。

瀬山
瀬山

2018年12月と2020年3月に市場が大きく下がった際、同じように下がっていますが、長期的に見ればどちらの場合もプラスになっていますよね。

瀬山
ハルちゃん

たしかに右肩上がりになっている銘柄を長期で持てば、暴落がきてもしっかり利益は得られそうですね。

ハルちゃん

成長性があっても新興市場への投資は気を付ける

瀬山

ただ、成長性がある市場でも、新興市場には気を付けないといけないです。

瀬山
ハルちゃん

以前、新興国は政治体制が変わることで、国の方針も大きく変わることがあるので、気を付けないといけないと教わりましたよね。

ハルちゃん
瀬山

そういうリスクもありますし、国の財政基盤が脆弱なこともリスクですね。例えば1990年代にロシア危機というものがありました。

瀬山
ハルちゃん

ロシア危機?どんな危機だったんですか?

ハルちゃん
瀬山

ロシアの財政悪化にアジアの通貨危機が重なり、株は下がるし、通貨も下がるしで、ひどい状態になってしまいました。畑であれば耕す土地自体が無くなってしまうような状態になってしまいました。

瀬山
ハルちゃん

そうなるともう将来への期待ができなくなってしまうのですね。

ハルちゃん
瀬山

国の状態が不安定な新興国はそういったリスクがありますので、新興国一択に投資をするのはお薦めしません。

瀬山

残り投資期間に合わせてリスクは下げていく

瀬山

ただ、そのように畑が枯れてしまっても、投資を始めたばかりであれば、仕切り直しの時間が十分あります。

瀬山
ハルちゃん

先ほど言ってたみたいに私はまだ焦る必要は無いんですね。

ハルちゃん
瀬山

はい。ただ、年数が経って、資産を活用する段階が近付いてきたら、注意が必要になってきます。

瀬山
ハルちゃん

段々リスクを下げていく必要があるんですね。

ハルちゃん
瀬山

そうですね。お金が必要になった時に大きめのバブル崩壊がきたら、資産が半分くらいになってしまうこともありますからね。

瀬山
ハルちゃん

リスクが高い資産が多いと、引き出すタイミングで資産が大きく変わってしまうんですね。

ハルちゃん
瀬山

残り年数が減る毎に取れるリスクも変わってきますので、資産の配分などは見直していく必要があると思います。

瀬山
ハルちゃん

でもその時になってちゃんとリスクを下げる配分にすることができるか心配です・・・。

ハルちゃん
瀬山

大丈夫ですよ。これから残りの運用期間しっかりとマーケットを見続けていけば、どんな投資先にすべきか分かってきますから。

瀬山
ハルちゃん

経験が積み上がっていくことが、ほったらかし投資にしない利点でしたよね。

ハルちゃん
瀬山

これから20年30年投資をすれば、暴落を何度か経験すると思います。その時までにしっかりマーケットの動きを見ていけば、あまり痛手を負わないように対応することができると思います。

瀬山
ハルちゃん

分かりました!暴落がきてもめげずに経験を積んでいきます!

ハルちゃん

経験を積むことで乗り換え先を探すことができるようになる

瀬山

まずは下がっても拠出をし続けて、マーケットをしっかり見ていくことです。銘柄を乗り換えて良いかは状況によりますから、経験を積みながら、状況判断ができるようにしていきましょう。

瀬山
ハルちゃん

乗り換えですか・・・。しかし、最初に買う銘柄を探すのも苦労したので、乗り換え先の銘柄を探すのも大変そうですね。

ハルちゃん
瀬山

たしかにそうですね。利益を確定するために売った場合でも、その資金をどこに持っていくかは悩みますね。暴落時に一旦売却した場合などは、資産が全部下がっていて、乗り換え先が見つからないかもしれませんし。

瀬山
ハルちゃん

もし暴落時に乗り換えるとしたら、その時下がっていない資産が良いんですかね?

ハルちゃん
瀬山

資産を活用するまで残りの年数が少なくなってきていれば、その時下がっていない安全資産に乗り換えておいた方が良いですね。一旦利益確定して、現金化しておくのも良いですし。

瀬山
ハルちゃん

まだ投資できる年数が残っていて、暴落時にしっかり取り返している銘柄であれば、そのまま持ち続ける選択肢もありですか?

ハルちゃん
瀬山

そうですね。過去の実績をしっかり見て、そういった判断をすることは良いと思います。

瀬山

まとめ

ハルちゃん

今日教えて頂いたことをまとめますと・・・

ハルちゃん
  • 資産形成では資産を活用するタイミングの相場だけ気にして、短期の下げは気にしない
  • 長期投資を途中で止めてしまう再開が難しくなる
  • 20年後、30年後の成長が崩れるようなことが起きれば、銘柄を乗り換えるべき
  • 成長性があっても新興市場への一国集中投資は避ける
  • 残り投資期間が短くなってきたら投資対象のリスクを下げていく
ハルちゃん

ありがとうございました。だいぶ不安な気持ちが無くなりました!

ハルちゃん
瀬山

そうですか。であれば良かったです。

瀬山
ハルちゃん

はい!これからもコツコツ頑張ります!

ハルちゃん

今回登場したファンド

ファンド名 レーティング(1年)
AM-One
★ ★ ★
みんかぶ編集室

資産運用のトレンド情報や、初心者が楽しく学べるお金の基本コラムなど、資産形成をするすべての人に向けた記事を提供します。

おすすめ記事

マガジン総合

読みだしたら止まらない! あなたの人生を豊かにする超厳選記事

連載FPがニュースを斬る!

ニュースで報道される事件・事故などをファイナンシャルプランナーが調査!

連載みんかぶ資格部

現在の収入を確実にアップさせる方法として「資格取得」を取り上げます!

連載人生100年時代の生活資金シミュレーション

老後資金の計算をする上で気になるポイントと差を検証していきます!

連載みんかぶFP相談室

みんながもっとハッピーになれるライフプランの魔法をお伝えします!

連載めざせ!理想のポートフォリオ

これから本格的に投資を始める方へ向けた「投資エッセイ」がスタート!

連載子育て30’sの『めざせ!富裕層』大作戦

子育て30’sが資産形成に奮闘する姿をドキュメンタリー形式でお伝えします!

連載2022年はリカレントが熱ちい!

雇用制度改革の必須条件である「リカレント教育」について熱く語ります!

連載FPの"気まぐれ"家計相談

相談経験が豊富なFPが、ライフプランのポイントを解説!

連載お先にライフシフト

「人生100年時代」の新しいライフスタイルをみんなで実現しましょう!

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoについて気になる情報をお届け!

NISA・つみたてNISA

NISA(ニーサ)・つみたて(積立)NISAについて気になる情報をお届け!

その他金融商品・関連サイト

ご注意

【ご注意】『みんかぶ』における「買い」「売り」の情報はあくまでも投稿者の個人的見解によるものであり、情報の真偽、株式の評価に関する正確性・信頼性等については一切保証されておりません。 また、東京証券取引所、名古屋証券取引所、China Investment Information Services、NASDAQ OMX、CME Group Inc.、東京商品取引所、大阪堂島商品取引所、 S&P Global、S&P Dow Jones Indices、Hang Seng Indexes、bitFlyer 、NTTデータエービック、ICE Data Services等から情報の提供を受けています。 日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。 『みんかぶ』に掲載されている情報は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。 これらの情報には将来的な業績や出来事に関する予想が含まれていることがありますが、それらの記述はあくまで予想であり、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。 これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、投稿者及び情報提供者は一切の責任を負いません。 投資に関するすべての決定は、利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 個別の投稿が金融商品取引法等に違反しているとご判断される場合には「証券取引等監視委員会への情報提供」から、同委員会へ情報の提供を行ってください。 また、『みんかぶ』において公開されている情報につきましては、営業に利用することはもちろん、第三者へ提供する目的で情報を転用、複製、販売、加工、再利用及び再配信することを固く禁じます。

みんなの売買予想、予想株価がわかる資産形成のための情報メディアです。株価・チャート・ニュース・株主優待・IPO情報等の企業情報に加えSNS機能も提供しています。『証券アナリストの予想』『株価診断』『個人投資家の売買予想』これらを総合的に算出した目標株価を掲載。SNS機能では『ブログ』や『掲示板』で個人投資家同士の意見交換や情報収集をしてみるのもオススメです!

(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.