投資信託はどうやって買うの?購入場所から購入方法までわかりやすく解説

「投資に興味があるけれど、個別銘柄の取引は難しそう…」と思われている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。実際、個別銘柄は決算やその会社特有のリスク要因など確認すべき事柄が多く、投資に大きな労力や時間を割くことができない方には難しい側面があります。
一方、投資信託はそのような方におすすめです。なぜなら、投資信託は日経平均やNYダウなど各国を代表する株価指数に連動する銘柄が多くあり、その指数を構成する株式全体に投資することになるため、手軽にその国、地域全体に分散投資ができるためです。
さらに、国が主導する非課税制度「つみたてNISA・NISA」などの認知度も徐々に上がりつつあり、投資信託というワードも少しずつ身近になってきたように思います。
しかし、いざ「購入しよう」と思っても、「何から始めればよいかわからない」という方も多いのではないでしょうか?
ここでは、投資信託を購入するのは初めてという方のために、投資信託の購入の仕方をわかりやすく解説していきます。
目次
投資信託が買える金融機関はどこ?

投資信託を購入できる場所は、主に、(投資信託を取り扱っている)銀行、郵便局(ゆうちょ銀行)、総合証券会社、ネット証券、投資信託運用会社の5つあります。
どの販売会社を選んだとしても、最終的に「対面」か「ネット」での購入になります。
それぞれの販売会社が「対面」と「ネット」どちらに対応しているかを以下の表にまとめました。
購入場所 | 購入方法 | |
---|---|---|
対面 | ネット | |
大手銀行 | 〇 | 〇 |
郵便局 (ゆうちょ銀行) |
〇 | × |
総合証券会社 | 〇 | 〇 |
ネット証券会社 | × | 〇 |
運用会社 | × | 〇 |
それでは、「対面」と「ネット」、それぞれの特徴を見ていきましょう。
(1)対面で投信を購入する場合
対面で購入する最大のメリットは、販売員に相談しながら購入できるという点です。そのため、販売員と自分の運用目的などを話し合いながら購入を決めたい人におすすめです。
その一方で、対面は注文できる時間帯が限られてしまい、一般的には、金融機関が開いている「9:00~15:00まで」となっています。また、対面の場合、販売員が訪問するケースもありますが、基本的には窓口まで行く必要があります。そのため、時間的にも場所的にも制限があります。

(2)ネットを活用してオンラインで購入する場合
ネットで購入する場合は、時間的にも場所的にも制限がありません。スマホやパソコンから好きな時間に、家や外出先から注文することができます。
また、対面での購入とは異なり、基本的に24時間いつでも買付設定などが行えるのも利点の1つです。
そのため、もし、パソコンやスマホの扱いに抵抗がないのであれば、「ネット」で注文・購入が便利です。

年々ネット証券の証券口座数も増加しています。一部には、口座数700万の大台に乗るネット証券も現れました。コロナショックに端を発する投資ブームの波に乗り、ネット証券はその裾野をどんどん広げていっています。
注文方法
(1)投資信託の価格が決まるのは1日1回だけ

注文方法にも関わる投資信託の特徴が1つあるので、ここで確認していきたいとおもいます。それは、投資信託は株式とは異なり、1日1回しか約定しないという点です。
つまり、投資信託の価格は1日に何度も値が変わらないということです。そのため、投資信託を買い付ける場合は、株式の指値注文のような価格指定をすることが出来ないので注意しましょう。
また、注文時間に関してですが、月~金(営業日)の15:00が注文締切時間となっています。注文締切時間までの注文は当日、注文締切時間以降の注文は翌営業日注文として処理されるので、当日中の注文にしたい場合は15時までに注文を出すように注意しましょう。
土日(祝)に出された注文に関しては、翌営業日注文として処理されます。
(2)投資信託の注文方法は「金額」と「口数」の二種類がある
投資信託を購入するにあたって、知っておきたいのが投資信託の買付単位です。株式では1単元(100株)が基本単位となっていますが、投資信託ではどのような単位で取引がされているのでしょうか。
投資信託の取引単位は「金額」と「口数」の二種類があります。そのため、投資信託の取引を行う際は「金額指定」か「口数指定」の二種類の注文方法のうちどちらかを選択することになります。

それでは、もう少し詳しく見ていきましょう。
①金額指定
その名の通り、金額指定で注文をする場合、金額で購入したい量を表します。つまり、1万円や10万円といった具体的な金額を指定して投資信託を購入する方法が金額指定での注文になります。
②口数指定
投資信託では、「口(くち)」という単位で取引を行います。投資信託の1万口あたりの値段のことを「基準価額」といいます。基本的に口数指定で買付をする場合は、「1万口」が取引の基本単位になっています。
そのため、その都度基準価額と買い付ける口数から必要金額を算出する必要があります。
基準価額は、該当銘柄を証券会社等のサイトで検索すれば調べることができます。
実際のところ、金額指定と口数指定、どちらを選んでも違いはありません。好きな方法で購入して大丈夫です。
とはいえ、金額指定の方が、実際にいくらで購入するのか注文する時点でわかるため、手間がかからず、初心者の方にもおすすめの方法といえます。
(3)積立で購入する
前述の一括で購入する場合とは別に、自動積立で購入する方式もあります。
この場合、「毎月1万円ずつ積み立てる」というように、定期的に一定金額分の投資信託を購入します。
積立には以下のようなメリットがあります。
・長期投資に向いており、売買タイミングを細かく気にせず済む
積立投資をする場合は、いくらで買ったかよりも、一定の期間で積み立てた「量」の方が重要になってきます。そのため、積立投資をする場合は、細かく買い時や売り時を考える必要がなく、淡々と積立続けることが肝要になります。

・少額から始められる
ほとんどの投資信託が、「100円から1円単位」で購入できます。投資と聞くと大金が必要というイメージがあるかもしれませんが、そのイメージを払拭してくれるのが投信積立の大きなメリットです。
塵も積もれば山となるというように、少額からでもコツコツと積立投資をつづけることで、ライフイベントや老後資金の足しにすることができるかもしれませんよ。

それでは、具体的な購入時の設定方法を見ていきましょう。
①積立コース選択
まずは、投信を買い付ける頻度を設定していきます。設定できる頻度は各金融機関によってことなりまずが、主に以下の5種類の買付頻度が主になります。
- 毎日…毎営業日、積立買付を行います。
- 毎週…毎週1回、自分で選んだ曜日に積立買付を行います。
- 毎月…毎月1回、自分で選んだ日に積立買付を行います。
- 複数日…毎月複数回、自分で選んだ日ごとに積立買付を行います。
- 隔月…2ヶ月に1回、自分で選んだ日に積立買付を行います。

積立の頻度が高いほど、時間分散投資の効果で購入単価が平均化されることが期待されます。
②金額・日付の設定
①で選んだコースごとに必要な情報を入力します。
(例)毎月コースを選んだ場合 積立金額:毎月1万円(手数料・消費税含) 申込設定日:毎月26日 |
③ボーナス月コース
投信の積立注文では、ボーナスの出る月に、積立金額を増やすことも可能です。そのため、ボーナスが入る月は多めに投資をしたいというニーズにも対応しています。

④積立代金自動振替サービス
銀行や郵便局(ゆうちょ銀行)で購入した場合は、自らの銀行口座から引き落とし設定することができます。
一方、多くの証券会社では、投信積立に必要な資金を毎月自動で金融機関口座から引き落としてくれるサービスがあります。このサービスを利用すれば「証券口座に入金するのを忘れてしまった」ということを避けられますね。また、引き落としにかかる手数料は「無料」となっています。
⑤分配金の受取方法
投資信託で得られる分配金の受け取り方法は、「受取コース」と「再投資コース」の2通りがあります。
投資信託の決算日までに設定を変更すれば、当日の分配金から受取方法の変更ができます。
また、受取方法は何度でも変更できますので、分配金を受け取らず再投資して複利効果を狙うなら「再投資」に設定しておき、すぐに使うお金として必要な場合は「受取」に設定することができます。

まとめ
今回は、投資信託の買い方について解説してきました。投資信託が購入できる場所や買付方法は大方理解いただけたのではないでしょうか。
しかし、注文までの流れを理解した段階で足をとめてしまうのは非常にもったいないです。投資信託は本記事でも紹介したとおり、100円程度の超少額からでも投資ができる金融商品です。
まずはお試し感覚で、自分の使いやすそうな金融機関を選び、投資信託への投資をはじめてみてはいかがでしょうか。