株式投資信託とは?投資信託と株式投資・ファンドの違いもわかりやすく解説

みんかぶ編集室
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株式投資信託とは?投資信託と株式投資・ファンドの違いもわかりやすく解説

投資信託の中でもリターンの高い株式投資信託を始めてみたいけれど、いろいろな分類があって何を選んでいいかわからないと感じていませんか?

株式投資信託は、投資をプロにお任せできるので、忙しい人や初心者でも資産を大きく増やせる可能性があります。

この記事では、株式投資信託の見分け方、選び方について詳しく解説しています。最後まで読んでいただければ、自分自身で株式投資信託を選ぶことができるようになります。

目次

投資信託とは

投資信託とは

投資信託は金融商品の一種で、多くの投資家からお金を集めて大きなお金を作り、集めたお金を専門家が投資家に代わって運用してくれるという特徴があります。投資信託を含めた投資は、1つの商品だけではなく、複数の値動きの特徴が異なる株式や債券を組み合わせて運用する分散投資が基本です。

ただ分散投資を活用すると、比較的リスクをおさえて安定したリターンを狙う投資ができますが、投資に慣れていない人や忙しい人にとっては、単品の株式や債券などを選定するのはなかなか大変な作業です。

投資信託を利用すれば、投資家が投資したお金をファンドマネージャーが運用するため、投資家が単品の株式や債券選びに悩む必要がありません。投資信託は読んで字のごとく、投資家が、投資を信託(信じて任せる)する金融商品なのです。

なお、投資信託と混同されやすい金融商品としては以下のものがあります。

投資信託と混同されやすいもの】

  • 株式投資
  • ファンド
  • ETF

それぞれ詳しく解説します。

投資信託と株式投資の違い

株式投資とは企業の株式を保有し、株式の売買益や、配当金を得ることで収益を得る投資方法です。投資家は企業の株式を購入すると、その企業に出資をしたことになります。企業は、出資をしたことの証明として投資家に株式(株券)を発行します。

その他、投資信託と株式投資の違いについて、以下のとおりまとめました。

【投資信託と株式投資の違い】
  投資信託 株式投資
投資対象の数 5,911本(2021年10月末現在の公募投信※1)の数) 日本取引所グループ(JPX)だけでも3,786社※2)
銘柄を選ぶ方法 ファンドマネージャーにお任せ 四季報やインターネットなどで、情報収集をしたうえで投資家自身の判断で選ぶ
手数料 ・購入時手数料(かからないものもある〈ノーロード投資信託〉)
・信託報酬
・監査報酬
・売買委託手数料
・信託財産留保額(かからないものもある)

約定代金に応じた取引手数料がかかる

投資金額 100円~ 1万円前後~
ミニ株なら数百円~
利益 売買益、配当金 売買益、配当金
分散投資 ファンドマネージャーにお任せ 投資家自身で分散投資をしなければならない
株主優待 なし 利用できる銘柄もある

※1)公募投信…公募投資信託のことで、一般的に50人以上の不特定多数の投資家を対象に募集をする投資信託のこと
※2)日本取引所グループ(東証一部、東証二部、マザーズ、JASDAQスタンダード、JASDAQグロース、TOKYO PRO Market)の合計。その他、米国株、中国株なども含めれば株式投資の銘柄数は無数にあります。

投資信託と株式投資の最も大きな違いは、投資信託は株式の個別銘柄や債券などを、投資信託の方針に基づいてファンドマネージャーが選んで運用をしてくれるのに対し、株式投資はどの銘柄を購入するかは自分で決める必要がある点です。

そのため、投資は始めたいけれど、投資初心者や、仕事が忙しくて個別の銘柄を選んでいる時間がない方は投資信託。

テレビや、ニュース、投資情報誌の四季報などをもとに、個別銘柄を吟味して選びたいという方は株式投資が向いています。

また、株式投資の中には、一定期日までに一定量の株式を保有していると、企業から優待券や、商品を受け取れる株主優待を受けられる銘柄もあります。こうした株主優待も、株式投資でなければ利用できません。

投資信託とファンドの違い

ファンドとは一般的に、投資顧問会社などの機関投資家が投資家から集めた資金の運用を代行する金融商品全般を指します。ファンドの中にはヘッジファンド※3)、アクティビストファンド※4)、不動産投資信託※5)、ベンチャーキャピタルファンド※6)など多くの種類があり、投資信託もファンドの一部という位置付けです。

日本にある投資信託は、「投資信託及び投資法人に関する法律」に基づいて運営されていて、主務官庁の監督を受けています。また、投資信託は、金融商品取引法に基づいて、投資運用業の登録を受けた「金融商品取引業者」が行なうなど、厳しい監督の下で運用されています。

※3)ヘッジファンド…市場が上がっていても、下がっていても、利益を追及するファンド
※4)アクティビストファンド…「モノ言う株主」ともいわれ、株主が企業経営者に経営戦略などを提案し、株価が上がったところで売り抜けて収益を出すファンド
※5)不動産投資信託…投資家から集めた資金を不動産に投資をして、家賃収入や不動産の売却益で収益を出すファンド
※6)ベンチャーキャピタルファンド…創業間もない企業に、投資をするファンド。仮に投資をしていた企業が上場して、株価が高値を付けた後に売却すると、大きな収益を出すことができる

投資信託とETFの違い

ETFとはExchangeTraded Fundの頭文字をとったもので、上場投資信託という意味があります。ETFは証券取引所に上場しているので、証券会社を通じて証券取引所に買付や売却の注文をします。また、価格はリアルタイムで値動きしており、価格を指定して売買する指値注文と、価格を指定しないで売買する成行注文のどちらも利用可能です。

一方、投資信託は上場していないので、証券会社、金融機関や郵便局の窓口で購入します。購入時点では、投資信託の基準価額(株式でいう株価に相当するもの)は公表されず、一般的には注文した翌営業日に公表されます。

なお、商品数は、投資信託で5,911本(2021年10月末現在の公募投信の数)、ETFでは246本(2021年11月現在)です。

株式投資信託とは

株式投資信託とは

投資信託のうち、一部でも株式を組み入れて運用する投資信託のことを株式投資信託といいます。また、投資信託の約款に、株式に投資が可能な旨の記載があり、株式を組み入れる可能性があれば、債券だけで運用している債券型でも株式投資信託に分類されます。

株式投資信託は、債券のほか、不動産投資信託(REIT)も組み入れることができるなど、設計の自由度が高い点も特徴です。

株式投資信託と混同されやすい言葉として以下のようなものがあります。

【株式投資信託と混同されやすいもの】

  • 公社債投資信託
  • 特定株式投資信託
  • 私募投資信託

それぞれの違いについて解説していきます。

株式投資信託と公社債投資信託の違い

投資信託のうち、有価証券を投資対象とする証券投資信託は、株式投資信託と公社債投資信託の2つに分けられます。公社債投資信託は、国債や社債といった債券を中心に運用されている投資信託のことで、株式を一切組み入れていない点が特徴です。

運用対象に株式を含まない分、一般的には株式投資信託よりも価格変動リスクは小さくなります

株式投資信託と特定株式投資信託の違い

特定株式投資信託とは、株式投資信託のうち、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数と連動した投資成果を目指すETFのことです。

株式投資信託を含めた投資信託の分配金は、普通分配金と特別分配金に分かれることがありますが、特定株式投資信託には、特別分配金がないという違いがあります。

特別分配金がない特定株式投資信託は、配当金がすべて課税対象となります。

株式投資信託と私募投資信託の違い

50人以上の不特定の投資家に向けて募集をする投資信託を公募投資信託といい、一般的な株式投資信託は、公募投資信託に該当します。一方、金融機関などの特定の投資家や、ごく少数の投資家だけに販売する投資信託を私募投資信託といいます。

購入時期別】株式投資信託の種類

株式投資信託の種類

株式投資信託は、購入できるタイミングによって2つの種類に分類されます。

【株式投資信託の種類】

  • 追加型株式投資信託
  • 単位型株式投資信託

それぞれの特徴やメリット、デメリットについて解説します。

追加型株式投資信託

いつでも購入したいタイミングで購入できる投資信託を追加型投資信託といいます。ETFも証券会社を通じていつでも購入できるため、追加型株式投資信託に含まれます。

いつでも投資信託を購入できるメリットはありますが、信託期間の期限が訪れた場合や、目論見書に記載された要件に該当した場合、投資信託の運用が終了(繰上償還)となることがあります。

単位型株式投資信託

単位型投資信託とは、投資信託設定前の募集期間のみ購入可能で、その後は追加買い入れができない投資信託のことです。運用会社が計画的に運用できるというメリットがありますが、途中で解約をする投資家が多くなると、予定していた信託期間より前に、投資信託の運用が終了(繰上償還)することがあります。

株式投資信託の選び方

株式投資信託の選び方

令和3年10月末時点で、5,815本の株式投資信託があります。

【株式投資信託の選び方】

  • 自分の運用目的に合ったものを選ぶ
  • 信託報酬などの手数料を確認する
  • 過去の実績を確認する

選び方をさらに詳しく知りたい人はこちら!
初心者にもわかる投資信託の選び方

自分の運用目的に合ったものを選ぶ

投資は最初に、何のために、いつまでに、いくらにするのか?という投資の目的を決めて、目的にあった運用をしていくことが大切です。

投資の運用目的を決める重要性を、以下の表をもとに解説します。

【投資の目的:10年後に、住宅ローンの頭金として500万円を準備する】
毎月の積立額 株式投資信託の利回り 10年間投資をした結果
3万円 6.4% 約502万円
3万円 3.0% 約419万円
4万円 3.0% 約559万円
4万円 0.9% 約502万円

毎月の投資額が3万円の場合、毎月、株式投資信託を購入して6.4%で複利運用すれば10年後に約500万円を準備できる計算です。

しかし、特に目的を定めずに利回り3.0%で複利運用をしていた場合、10年後は約419万円。同じ3万円を運用しても100万円近い差が出てきます。

一方、仮に毎月の投資額が4万円用意できる場合、3.0%で複利運用すると10年後は559万円になります。

この場合、結果だけ見れば目標額より大きく増えているので、良い結果となっていますが、投資はリターンとリスクは表裏一体の関係にあり、リターンが大きいほど、投資のリスクも大きくなります

つまり、毎月4万円の投資額を準備できるのであれば、0.9%の利回りで複利運用できればよく、自分の大切なお金を必要以上にリスクにさらしてしまったと考えられます。よりリスクが低い、公社債投資信託を選んでも良かったかもしれません。

このように、投資をする前に、まず自分の運用の目的を明確にしておかないと、運用をしても全く目標額に届かなかったり、必要以上に自分のお金をリスクにさらしてしまったりする可能性があります。

信託報酬などの手数料を確認する

投資信託はファンドマネージャーという投資のプロに投資を任せるものなので、信託報酬という報酬を支払う必要があります。

仮に信託報酬が税込で1.5%、基準価格10,000円、100口所有している場合、信託報酬は年間1万5,000円※7)。また、信託報酬が0.15%なら、年間1,500円※7)です。

※7)実際の信託報酬は、上記金額÷365の金額が、毎日投資信託の残高から差し引かれます。(例:1万5,000円÷365=約41円)

過去の実績を確認する

投資信託の目論見書には、商品分類、属性区分のほか、過去の運用実績も掲載されています。

将来のリターンを確約するものではありませんが、おおよその実績を把握しておかないと、必要以上にリスクのある投資を選択してしまう可能性もあります。

過去1年の実績、過去5年の実績、全期間の実績なども確認して、おおよその利回りの目安は確認しておきましょう。比較サイトなどを活用すれば、トータルリターンの順番に並び替えて比較もできます。

まとめ

投資信託は、投資の商品選びをプロにお任せできる金融商品です。そのため、忙しくて投資銘柄をあまり細かく見ることができない方や、投資初心者の方でも比較的少ないリスクでスタートできます。

投資信託のうち、株式を組み入れる可能性がある投資信託を、株式投資信託といいます。株式投資信託は、自分の運用目的に合ったものを選ぶこと信託報酬などの手数料を確認すること、そして過去の実績を確認することが大切です。

投資は、時間を味方につけるとさらに投資効果が高くなります。投資信託の選び方が分かったら、早速、証券会社も調べてみましょう。

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