羽生結弦をひとりになんかしない…3.11、勇敢な芸術家を”あったかいもの”が包み込む「かんばれ」「大丈夫だよ」

決して逃げたりしない…2011年3月11日、羽生結弦が見た「世界」
「まわりが一気に崩れてゆく。なにも出来ないまま。ただ怖いだけで。たくさんあった花も消えていた」
2月26日、東京ドーム『GIFT』。『Hope & Legacy』を滑り終えた羽生結弦は、そうつぶやきながら、水の底へと沈んでいった。
「太陽はいつのまにかいなくなった。月もいない。真っ暗。なんで。なにが起きたのかわからない」
2011年3月11日、羽生結弦が見た「世界」である。東日本大震災。アスリートとして、芸術家として、そして被災者として羽生結弦は決して逃げたりしない。
自分が苦しいだけじゃない。「みんな」が苦しいから、苦しい
「だってあんなにキラキラしていたんだ。だってあんなにたくさんの命があったんだ」
苦しそうな呼吸ともに「だって」を連呼する。自分が苦しいだけじゃない。「みんな」が苦しいから、苦しい。