遺産はわずか30万円!「介護は女の仕事だ」義父の面倒を夫と義弟に押し付けられた70代女性…「お前のせいで早く死んだ」に激怒、大逆襲を準備
老老介護とは、65歳以上の高齢者を、同じく65歳以上の人が介護する状況を指す。厚生労働省によると、自宅で介護をしている人のうち、お互いが65歳以上である割合は59.7%と、自宅で介護している人の半数以上は老老介護となってしまっている。もちろん体力的な問題もあるが、年金が家計の主な収入源なっている場合は経済的にも苦しい。
そんな老老介護だが、その負担は家族内のパワーバランスによって特定の誰かに押し付けられてしまうことも少なくない。今回ご紹介するケースもその1つだ。
自分の外見をけなす義父をひとりで老老介護することに
介護は、ひとりで抱える問題になりやすい。長男・久さん(仮名・72)の嫁として和田家に嫁いだ美也子さん(仮名・70)は、夫や久さんの弟たちに協力を拒まれ、ひとりで義父を5年間も介護し続けた。
「私としてはできることは全部やった。私に任せっきりだったのに、お義父さんが亡くなった後、夫の弟たちからは『美也子さんの努力不足で、親父は早く亡くなった』と嫌味を言われました」
義父の明さん(仮名・享年96)は、外面(そとずら)がいいタイプ。美也子さんの前では「こんないいお嫁さんいない」とべた褒めするが、近所の人との井戸端会議では美也子さんの外見を貶(けな)し続けていた。
自宅に近所の人を招いた際、「うちの嫁は本当に器量が悪い。長く一緒に暮らせば慣れるかと思ったけど、そんなことはなかった。息子はあんな女のどこがよかったのか…」と、コソコソ話す義父の言葉を何度も耳にしていたため、美也子さんはずっと義父のことが嫌いだった。
だが、2人の関係性に変化が生じる。それは、明さんが91歳の時のこと。庭にある階段で転び、明さんは足を骨折。入院して治療をする中で、寝たきりの時間が増えたため、筋力が衰え、骨折が治っても今まで通りに歩くことができなくなったのだ。