「同じ背番号だね」と言いたかっただけが、まさか…大谷翔平とユニフォーム交換したチェコ選手(KPMG社勤務)が現地メディアに語った夢舞台
2023年ワールドベースボールクラシックは日本の3大会ぶり3度目の優勝で幕を閉じた。日本戦は全7試合で40%超えの視聴率をマークし、経済効果は600億円にのぼるとの試算も出ている。作家の小倉健一氏が解説する――。
アマチュアがプロに勝つというのは、またいいものですね
野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場したチェコは大いに野球を楽しみ、そして幾人かが米大リーグへの切符を手にしたかもしれない。今回は、チェコチームのWBCを振り返ってみよう。
チェコは、あまり野球が普及しているとはいえないヨーロッパの国々においても “弱小チームの1つ”(地元メディア)だった。予選では、優勝候補であるスペインに7対21と完膚なきまでに叩きのめされたが、その後、フランス、ドイツを破り、もう一度対戦したスペインに今度は3対1で奇跡的な勝利を収め、歴史的なイベントへの出場権を獲得している。
チェコにプロ野球選手はいない。つまり、所属する選手はすべて他に職業を持っている。チェコのパベル・ハジム監督は「チェコの野球選手たちは、この大会のために休暇を取らなければならず、すぐに仕事に戻らなければならないのです。しかしアマチュアがプロに勝つというのは、またいいものですね」と述べている。
WBCで、スペインに奇跡の勝利を収めたアマチュア選手であるチェコ代表を待っていたのは、メジャーリーガー級の待遇であった。
チェコの選手(本業は地理の先生)がビビったMLB待遇
母国チェコでは、高校教師(体育と地理)でもあるアルノシュト・ドゥボビー選手は、この待遇を現地のメディアで振り返っている。