記憶力25%増、ピークは50代!徹底解説「絶対に忘れない勉強法」なぜ心拍数は120まであげるべきなのか…衝撃の研究結果
学び直しの重要性が叫ばれる一方で、仕事や家事、育児に追われ「勉強する時間を捻出できない」と嘆く社会人も多い。そこでプレミアム特集「人生大逆転の学び直し大全」第3回は『絶対忘れない勉強法』(アスコム)など多数の著書がある明治大教授の堀田秀吾氏に、忙しい大人が勉強する際に押さえておくべきポイントをうかがった。
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まずはとにかくやってみる
勉強に関しては、世界的に “先延ばし傾向” にあることが、さまざまな研究からわかっています。とにかく「やらない」理由を見つけては、その理由を免罪符にしてしまうんですね。
ただ実は「自分の意思で行動する」というのは、非常に難しい行為なんです。脳は頭の中に閉じこもっていて、脳自身が見たり聞いたりすることはできません。脳の役割は、身体から送られてくる情報をモニターし、その情報に応じて身体を最適化すること。「あ、いま身体が動いているな。じゃあもっとアドレナリンを出してあげなきゃ」といった具合に指示を送っているのです。
カリフォルニア大学のリベットらが行った研究では、「動作を行おう」と脳が考えて発するする信号よりも、その動作を実際に行うために脳が出す信号のほうが、平均で0.35秒早いという結果も出ています。「身体が先で、脳が後」。これが近年の脳科学の常識です。
そこから言えるのは、人間が何かを始めるには、やる気が出るのを待つのではなく、まずはやってみることが何より重要だということです。
たとえば車や飛行機を動かすためには、まずは無理やりエンジンを回す必要がありますよね。一度エンジンがかかってしまえば、あとはスムーズに回り続けます。人間もこれと全く同じ。最初は無理やりにでも、“やる気のエンジン” をかけなくちゃいけないんです。たとえやりたくないことであったとしても、始めてさえしまえば続けられるかもしれません。
人気ファーストフード店が硬い椅子を採用している理由
人間の意思決定は、環境に左右される部分が大きいことがわかっています。たとえばタバコを吸う人たちは、そこにタバコを吸えるスペースがあるから吸うわけです。またとあるファーストフード・チェーン店では、あえて座り心地の悪い硬い椅子を設置することで、利用者に長居させず、回転率を上げています。
このように、私たちの行動は知らず知らずのうちに環境にコントロールされていると言えるのです。