新宿「ぼったくり被害の9割がアプリ経由」の衝撃、女性は”ギャラ飲み”で報酬月200万円…専門家が指摘する歌舞伎町よりヤバい街
世の男性たちに多くの出会いを提供してくれるマッチングアプリが、ぼったくり被害の温床になっている。被害に遭わずに安全に遊ぶためには、現場を知ることが必要だ。繁華街の犯罪事情に詳しいルポライターの國友公司氏が、その実情をレポートする。
被害の9割がマッチングアプリ経由
終電間近の歌舞伎町の職安通り。歌舞伎町の中心地に比べると人通りの少ないこの場所で、サラリーマン風の男2人がコワモテの男3人に囲まれていた。目の前にはコンビニエンスストアがあり、コワモテの男の1人が「お客さんたちさ、実際に飲んでいるんだから、払ってもらわないと困るから」とATMでカネを下ろすように迫っていた。おそらく、ぼったくりの被害に遭ったのだろう。
今流行りのぼったくりといえば、マッチングアプリを使った手法だ。歌舞伎町を歩いていると、常に注意喚起のアナウンスが流れている。しかし、被害はいまだに後を絶たない。
朝日新聞の報道によれば、新宿署が今年1、2月に受理したぼったくり被害の相談件数は約110件(被害総額約5900万円)あり、このうち約9割が、マッチングアプリで会った女性とともに訪れた店での被害だったという。
ショットは飲み放題のメニューに入っていない
被害者が話す手口はどれも似たようなものだ。マッチングアプリで知り合った女性と飲みに行き、ぼったくりの被害に遭ったという大学生の男性が話す。
「マッチングアプリで知り合った20代前半の女の子と新宿駅で待ち合わせをし、歌舞伎町へ飲みに行くことになりました。いくつか店のアタリはつけていたのですが、相手の女の子が〝知り合いがやっているバーがあるからそこに行こう〟と言うので、付いていくことにしました」
店のシステムは5000円で2時間の飲み放題という至ってオーソドックスなものだった。2人で1万円なら奢(おご)ってあげられるだろうと了承すると、開始早々、店員にゲームを勧められた。ゲームにはいくつか種類があったが、共通しているのは負けたら「ショット」を一気飲みするということだった。
「終わってみれば、伝票に書かれていた金額は21万円でした。ショットは飲み放題のメニューには入っていなくて、1杯3000円もするというんです」
同様の手口は30年前からあった
今年4月には同様の手口で、マッチングアプリで知り合った男性を飲食店に連れ込み、ぼったくり行為をした疑いで男女計19人が逮捕されている。場所はやはり歌舞伎町で、グループの一部はいわゆる「闇バイト」で募集されていた。朝日新聞の報道では、
〝メンバーが使っていたインスタグラムでは、男性向けに「BAR内での軽い作業」で月40万~150万円、女性向けに金銭をもらって酒を飲むことを意味する「ギャラ飲み」で月100万~200万円の報酬、とうたった募集もあった〟